整備費44-49億円 複合公共施設 30年度に内装工事着手(取手市)
[2025/10/16 茨城版]
取手市は、取手駅西口A街区再開発ビル内に整備する複合公共施設の基本構想修正案を策定した。地権者脱退による再検討を行ったもので、主な変更点として想定整備費を44-49億円に増額。導入機能は図書館や多目的ラウンジなどで、延べ床面積は4000-4500平方mを想定する。本年度から基本計画に取り掛かり、26年度に内装の基本設計、27年度に実施設計をまとめる。工事は30年度に着工し、31年度の開館を目指す。
再開発ビルは取手駅北土地区画整理事業区域内のA街区の一部約0.5haに建設。用途地域は商業地域で、建ぺい率が80%、容積率が500%。26年2-3月ごろに高度利用地区の都市計画決定を行う。事業協力者はフージャースコーポレーション(本社・東京都千代田区)。
建築物は地上5階建て延べ約5000平方mの非住宅棟、地上20階(2-21階)建て約1万8000平方mの住宅棟を整備。非住宅棟には駐車場や公共施設、商業施設などを導入する。住宅棟は約250戸を確保し、北側にはエレベーターパーキングを設置。26年度の再開発組合設立認可後、28年度から工事を実施する。再開発ビル全体の整備に係る概算事業費は約187億円を見込む。
市は非住宅棟の一部を取得し、取手駅前図書館と市民交流施設を導入した複合施設を整備。取手駅前図書館は既存の取手図書館の移設・機能拡充を図るもので、床面積は3000-3500平方mを検討する。従来の貸出型図書館ではなく、ゆとりある快適な閲覧(学習)スペースを確保した滞在型図書館とする。
市民交流施設には音楽スタジオ・会議室、多目的ラウンジ(フリースペース)などを配置。音楽スタジオ・会議室は300平方m程度で、楽器の演奏や歌唱など音楽活動ができる防音のスタジオ、小・中規模の部屋を整備する。
多目的ラウンジ(フリースペース)は500-1000平方m程度を想定しており、自由にレイアウト可能なテーブル・椅子を配備。個人やサークル、団体などが行っている活動の発表会やイベントなどが可能な場を提供する。また、来館者同士の交流促進と集客性・滞留性の向上を図るため、カフェやオープンテラスを導入していく。
賑わいの創出に向けては民間ノウハウを活用するため、管理運営について指定管理者の導入を検討。想定維持管理費は年間1億5000万-2億円。指定管理者の公募は28年度を予定している。
市は基本構想の策定にあたり、パブリックコメントで11月11日まで意見を募集している。問い合わせは中心市街地整備課(電話0297-74-2141)まで。