43カ所に10億円追加 緊急防災・減災事業 四ツ川や清水川で堆積土除去(県河川課)

[2025/10/16 栃木版]

 県河川課は、9月補正予算で緊急防災・減災対策事業費には10億円が追加されたのを受けて、追加分の主な事業をまとめた。対象箇所は全部で43カ所となり、このうち38カ所で堆積土除去、1カ所で調整池設置、4カ所で堤防強化を実施する。また、公共事業関連調査費では5000万円の配分を受け、浸水被害の発生した河川の改修に向けた調査・検討を実施する。

 今回の補正では、県内でも集中豪雨や局地的大雨により溢水被害が発生するなど自然災害が激甚化・頻発化していることから、緊急防災・減災対策事業費に10億円を追加して堤防強化や中小河川等の堆積土除去をより一層推進する。

 堆積土除去は▽決壊や越水、溢水箇所やその周辺▽堤防や護岸等が被災市が箇所およびその周辺▽氾濫による人家への影響が生じる箇所▽橋梁部や水衝部など氾濫の危険性が高い箇所▽河川の断面が小さく氾濫の危険性が高い箇所-で、地域の要望も踏まえながら順次実施している。

 このうち、那須町の四ツ川は河川の断面が小さく氾濫の危険性が高い箇所であるため、足利市の清水川は氾濫による人家への影響が生じる箇所であるため堆積土を除去する。宇都宮市の荒地川や茂木町の生井川は橋梁部や水衝部などで危険性が高く、また河川の断面も小さいため対策を行う。

 このほか、鹿沼市の行川では堤防決壊や越水、溢水が生じた箇所で長時間の洪水に耐える堤防の補強を実施する。佐野市の小曽戸川は、決壊や越水、溢水が生じた河川であり、流域治水対策として調整池を整備する。

 公共事業関連調査費では、補正額のうち5000万円を充当して、浸水被害の発生した河川の改修に向けた調査・検討を実施する。対象の河川は現在調整中としている。

 補正で追加された各土木事務所ごとの緊急防災・減災対策事業の代表箇所は次の通り。(▽河川名(市町名)=事業内容)
〈宇都宮土木〉
▽荒地川(宇都宮市高松町)=堤堆積土除去
〈鹿沼土木〉
▽行川(鹿沼市富岡)=堤防強化
〈日光土木〉
▽志渡渕川(日光市松原町)=堆積土除去
〈真岡土木〉
▽生井川(茂木町生井)=堆積土除去
〈栃木土木〉
▽与良川(小山市迫間田外)=堆積土除去
〈矢板土木〉
▽江川〔烏山〕(矢板市沢)=堆積土除去
〈大田原土木〉
▽四ツ川(那須町漆塚)=堆積土除去
〈烏山土木〉
▽空沢川(那須烏山市上境)=堆積土除去
〈安足土木〉
▽清水川〔足利〕(足利市小俣町)=堆積土除去
▽小曽戸川(佐野市築地町)=調整池整備

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