事業費13億円を増額 国道6号大和田拡幅 資材や労務費上昇で(関東整備局)
[2025/10/17 茨城版]
国土交通省関東地方整備局は、9日に開かれた第3回事業評価監視委員会に「国道6号大和田拡幅」を諮問し、原案通り継続の方針に了承を得た。資材高騰や労務費上昇などの対応へ13億円を増額し、電線共同溝を含んだ全体事業費を約224億円としている。本年度の事業費には11億9600万円を確保し、調査設計や用地買収、改良工事を進める。
この事業は、日立市神田町の県道下土木内常陸太田線から、県道日立港線と交差する大みか町6丁目交差点までの延長3.3km(幅員25.25m)を4車線化するもの。06年度に事業化し、11年度から着工した。
4車線化による日立市内の交通渋滞の緩和と、茨城港日立港区や日立南太田ICなどとのアクセス性向上を目的としている。完成すれば、日立港区や日立南太田ICへのアクセス性が向上し、物流の効率化が期待できるとするほか、国道245号など津波を伴う災害発生時の代替路としての機能が強化されるなど、道路信頼性の向上にも期待している。
これまでには、暫定的な渋滞対策として、17年11月に石名坂交差点を移設したほか、18年5月には大みか町6丁目交差点改良を行った。24年度末の用地取得率は約83%。現在は茂宮川橋や石名坂橋の橋梁工事等を重点的に実施しているが、原材料費やエネルギーコストが高騰。今回、材料単価・労務費の上昇による約13億円を増額した。
事業費増額の要因は、原材料費やエネルギーコストの高騰等に伴い、22年度に比較して材料単価・労務費が上昇。今後も上昇が継続する場合、更なる費用増加の可能性があるとしている。一方、電線共同溝の管路材の見直し約9000万円のコストを縮減した。管路材として新たにECVP管(硬質塩化ビニル管)を採用。これまで使用されてきたCCVP管(耐衝撃性硬質塩化ビニル管)と同様の耐久性や施工性を確保し、経済性に配慮して開発された管路材となっている。
諮問に当たり本県からは、「国道6号大和田拡幅は、日立市内の交通渋滞の緩和、常磐自動車道へのアクセス向上による物流機能の強化および地域産業の発展に大きく寄与することなどから、本事業の必要性は高く、事業を継続することは妥当と考える。段階的な供用により事業効果を発現しつつ、早期完成に向けて事業を推進するとともに、徹底したコスト縮減を図るようお願いしたい」などの意見が出されていた。