再評価部会で浸水対策の継続了承 千葉公園に雨水貯留槽新設(千葉市)
[2025/10/21 千葉版]
千葉市新基本計画審議会の公共事業再評価部会(部会長・森田弘昭日本大学生産工学部特任教授)が20日に開かれ、下水道床上浸水対策事業の北部第1地区第1排水区(中央区)について、再評価を実施し、事業の継続が了承された。千葉公園に雨水貯留槽を新設するほか、雨水管渠の整備を進めており、事業費を9億2100万円増額し、事業期間を5年延伸する方針だ。
部会では事業費が予算化されてから5年間が経過したため、再評価を実施した。下水道の床上浸水対策として、千葉公園に設置されている貯留槽の隣接地に9700m3規模の雨水貯留槽(直径27m×高さ21.7m)を新設するほか、雨水管渠(延長975m)を整備する計画。2022年度に着工している。
土質調査の結果、貯留槽の形状を深くするなどの大幅な見直しにより、工事搬入路の再調整や超過降雨対策となる流入ゲートの整備が必要となったため、事業費を増額するとともに、事業期間を延伸する方針だ。
総事業費は9億2100万円増額し、37億1900万円とする。その内訳は雨水貯留槽29億4600万円、雨水管渠7億7300万円。事業期間は5年延伸し、2021年度から29年度までの9年間とする。
雨水貯留槽はオープンケーソン8層で構成。年度内に2層目までの躯体構築や掘削圧入沈下が完了する見通し。事業費ベースの進ちょく率は38%となっている。
今後、躯体構築や掘削圧入沈下を8層目まで繰り返し、貯留槽の躯体を27年度までに完成させる方針。併せて、ポンプや昇降施設など付帯設備の整備を進め、29年度の完了を目指す。
26年度以降の残事業費は約23億円。費用便益比(B/C)は全体事業「1.2」、残事業「2.0」となっている。部会では、雨水貯留槽などが完成することで効果が発揮されるもので、費用便益分析の結果からも事業の投資効果が認められるため、事業を継続することが妥当とする対応方針が了承された。
この排水区にはターミナル駅となるJR・京成千葉駅があり、周辺には駅前ロータリーや商業・業務施設などが多数立地。同市の雨水対策重点地区整備基本方針では大雨時に床上浸水が発生するなど、浸水リスクが高く、被害を受けた場合、経済的損失が大きい都市機能が集積している整備重点地区に位置付けられている。