圏央道と接続道路優先 夷隅地域の4市町視察(熊谷知事)

[2025/10/22 千葉版]

夷隅地域2市2町の首長と意見を交換する熊谷知事(左)

夷隅地域2市2町の首長と意見を交換する熊谷知事(左)


 熊谷俊人知事は10月21日、各地域の実情に沿った施策を展開するため、夷隅地域の2市2町を視察した。いすみ市の国道465号苅谷新田野バイパス整備予定地を視察した熊谷知事は、「夷隅地域に(人やお金の)流れができるようにしていきたい」と述べ、圏央道の全線開通とあわせた道路整備に強い意欲を示した。

 いすみ市役所夷隅庁舎では、太田洋市長が熊谷知事を出迎え、苅谷新田野バイパスの整備予定地周辺(県道夷隅瑞沢線)を視察した。

 苅谷新田野バイパスは、国道465号のいすみ市佐室から増田までの9.1kmのバイパスとして計画されている。県営ほ場整備に合わせて用地の約6割を確保するとともに、5.1km区間の道路や橋梁の設計を実施している。

 また、大多喜町では養老渓谷温泉街周辺、勝浦市では海中公園周辺、御宿町では御宿西武グリーンタウンと御宿駅西側周辺を訪問した。

 視察後には、いすみ市内で2市2町の首長らと意見交換会を開催した。

 冒頭あいさつで、熊谷知事は、「夷隅地域に(人やお金の)流れができるようにしていきたい。各地域振興事務所を強化しながら、みなさんの声を反映できるよう努めていく」と述べ、率直な意見交換に期待を示した。

 意見交換会は非公開で開催。いすみ市は国保病院の広域連携、勝浦市は国道297号松野バイパスの早期完了や県道上布施勝浦線の整備、大多喜町は夷隅川の整備促進、御宿町は実谷バイパスの早期完成などを、それぞれ求めた。

 意見交換後、取材に応じた熊谷知事は、圏央道の全線開通を間近に控え、各首長から道路整備についての多くの要望があったことを説明。「圏央道につながる路線を優先しており、長生グリーンラインをしっかり伸ばしていく」と表明した。

 苅谷新田野バイパスについては、「(太田市長から)全体的な人と物流の流れから見た時の道路整備について話があり、できるだけ整備を加速化してほしいとの要望がった」と紹介。「県としても同じ視点を共有している」と述べ、道路整備の必要性を強調した。

 熊谷知事は、今年3月の再選後、県内各地域を積極的に訪問。19日には富津市・君津市の山間部を訪れ、災害の際に孤立する可能性のある集落を視察した。

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