9漁港の工事を発注 防波堤延伸や船揚場改良(宮城県 石巻市)

[2025/10/21 宮城版]
 石巻市は漁港施設改良事業で、本年度に9漁港の工事を発注する意向だ。このうち新山漁港では防波堤の延伸、前網漁港では船揚場の改良に着手する。小島漁港では船揚場の改良、長面漁港では浚渫土砂の運搬処分、折ノ浜漁港や谷川漁港など5漁港では梯子の増設や延伸を実施する。

 新山漁港は所在地が新山浜不動沢で、防波堤は東防波堤とB防波堤の2つがある。このうちB防波堤を延伸する。併せて、B防波堤に隣接して消波ブロック形式で整備されている護岸をかさ上げするとともに、増設する。

 既存のB防波堤はコンクリートの重力式で、延長が26.6m、幅が約6m、海底からの高さが8m以上ある。計画では延長50mほどを延伸する。

 既存の護岸は6tの消波ブロックが積み重なって出来ており、高さが約1.5m。計画では延長35m区間の護岸を1.5mかさ上げするとともに、延長20mを増設する。増設では同じ6tの消波ブロックを約3mの高さまで積み上げる。

 防波堤延伸と護岸整備の全体事業費は3億8000万円を試算している。測量設計業務は中央技術コンサルタンツ(石巻事務所・石巻市)に委託しており、とりまとめ作業を進めている段階。

 前網漁港は前網浜字前網に位置しており、既存の船揚場が斜路式で船が停泊できないため、一部を直立式に造り直す。全体事業費は1億1000万円を試算。必要な工事費は本年度に全て確保した。測量設計業務は中央技術コンサルタンツに委託した。

 小島漁港は船揚場の段差を解消する。当初は工事を指名競争入札で発注することとし、概算工事規模に800万円を見込んでいたが、設計を進める中で構造を大きく見直す必要があると分かったため、工事費がふくらむもよう。場合によっては発注を来年度以降にずらす可能性もある。

 水浜分浜漁港は基礎捨石を撤去する。工事は津田海運(石巻市)が担当している。長面漁港はワコー建設(同)で約5500立方mの浚渫土砂を運搬処分する。

 折ノ浜漁港、前網漁港、谷川漁港、小網倉漁港、長渡漁港の5カ所は、梯子の増設または延伸工事を発注する。谷川漁港は当初、マイナス2m物揚場をかさ下げする予定だったが、階段梯子に切り替えた。

 このほか、漁港照明灯整備等工事を今後に指名競争入札で発注する。概算工事規模は400万円。工期は4カ月。

 本年度に発注を予定していた熊沢漁港の斜路式船揚場改良工事は、計画を練り直すため、発注を見送る。

 なお、漁港施設改良事業の工事費は、当初予算で3571万円、6月補正予算で2億7900万円を確保した。

梯子設置の工事入札

 同市は「小網倉漁港ほか4漁港漁港用梯子設置工事」の一般競争入札(事後審査)を公告している。21日まで参加申請書や入札書を受け付け、22日に開札する。

 工事内容は23基の梯子増設と、10基の梯子延伸。対象漁港は小網倉、谷川、長渡、前網、折ノ浜。予定価格は3403万7000円。工期は2026年3月19日まで。

 入札の参加資格は市内に本店があり、土木一式工事がA等級であることなど。

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