耐震化など計画達成 公共施設等総合管理 昨年度の取り組み状況を報告(県管財課)

[2025/10/27 栃木版]

 県管財課は、県公共施設等総合管理基本方針に基づく2024年度の取組状況をまとめた。それによると、昨年度は県有建築物で特定天井の耐震化や長寿命化工事などを実施し、道路施設も長寿命化修繕計画に基づく計画的な修繕を実施している。これらの取り組みにより、累計では耐震化が建築物、道路、河川など各施設類型でいずれも計画値を達成。最適化や気候変動対策も、進捗度を評価できるものは80%以上を達成した。長寿命化については、ダム設備の修繕・更新や治山施設の機能強化・老朽化対策工事、林道の橋梁等の予防保全工事、自然公園等施設の自然公園施設の長寿命化工事を除いて、進捗度が概ね80%以上を達成している。

 県公共施設等総合管理基本方針の対象期間は、16年度から25年度までの10年間。「安全・安心の確保」「公共施設等の長寿命化」「公共施設等の最適化」を基本方針として、県民が必要とする行政サービスの維持・向上に取り組んでいる。施設類型ごとの具体的な対応方針は、施設類型(種別)ごとに各施設管理者が策定する個別施設計画(23計画)で定め、各種取り組みを進める。

 施設類型ごとの管理に関する24年度の取組状況を見ると、「安全・安心の確保(耐震化)」に関して、県有建築物は庁舎等の特定天井等の非構造部材の耐震化を3カ所(計画値:3カ所)で実施し、進捗度は100%。なお16年度からの累計では、庁舎等の特定天井で25カ所、学校の吊り天井で3カ所の計画分がそれぞれ完了している。

 下水道は、管路施設の可とう管化工事を計画値の6処理区で実施し、進捗度100%を達成。発電施設は水路設備の耐震化工事が1件の計画に対し、足尾発電所の水圧鉄管等耐震補強工事に着手して25年度までの2カ年で施工している。

 このほか、道路(橋梁等の耐震補強)、河川(排水機場、水門等の河川施設の耐震補強)、農業水利施設(防災重点農業用ため池の地震耐性評価)、水道・工業用水道施設(管路耐震化)については24年度の実施対象施設が無かった。

 「長寿命化の推進」は、県有建築物の長寿命化工事を庁舎等で子ども総合科学館本館(宇都宮市)の空調など6棟(計画値6棟)、県営住宅で県営犬塚住宅(小山市)の屋根防水、外壁改修、給排水など10棟(計画値3棟)、学校で宇都宮商業高校普通教室棟(宇都宮市)のトイレなど28棟(計画値28棟)で実施した。

 道路の長寿命化修繕計画に基づく計画的な修繕は、橋梁が川崎橋(足利市)など100橋(計画値100橋)、歩道橋が自治医大前歩道橋(下野市)など6橋(計画値6橋)、トンネルが金精トンネル(日光市)など3本(計画値3本)、道路アンダー・地下道が下砥上アンダー(宇都宮市)など4カ所(計画値4カ所)、舗装が約200km(計画値約200km)と、いずれも計画値を達成した。

 河川の点検結果に応じた修繕は、健全度Dの鋼矢板護岸腐食対応(栃木市、23年度から継続工事)1カ所(計画値1カ所)と、健全度Cの江川放水路(宇都宮市、23年度から継続工事)1カ所(計画値1カ所)を実施した。

 砂防の要対策施設の修繕は、砥川堰堤(日光市)など19カ所(計画値19カ所)を実施。ダムの設備の修繕・更新は、東荒川ダム(塩谷町)のゲート修繕など16件を実施したが、計画値の56件には未達だった。

 下水道の改築は、巴波川浄化センター(栃木市)の事業用水槽設備など2設備(計画値2設備)で実施した。都市公園の施設の修繕・更新は、那須野が原公園(那須塩原市)のそり遊び広場更新工事など34カ所で実施し、計画値の28カ所を上回った。

 農業水利施設の基幹的農業水利施設の長寿命化工事は、赤田調整池(那須塩原市)など3カ所(計画値2カ所)で実施した。

 治山施設の機能強化、老朽化対策工事は熊の鷹沢(宇都宮市)など9件(計画値10件/年平均)で実施し、林道の橋梁等の予防保全工事は大荷場木浦沢線(鹿沼市)の橋梁1件(計画値8件/年平均)にとどまった。自然公園等施設の長寿命化工事は、西桟橋(日光市)の運輸施設1件(計画値2件/年平均)で実施した。

 発電施設の設備改修・修繕は川治第一発電所主要機器内部点検修繕等工事など5件(計画値5件)で実施し、水道・工業用水道施設の設備修繕・更新工事は北那須水道事務所の浄水場建屋等照明設備更新(LED化)など2件(計画値2件)で実施した。

 交通安全施設(交通信号機)の機能維持の修繕は、制御器等更新を210基(計画230基/年平均)で実施している。

 「最適化の推進」のうち、県有建築物の施設の集約化については実施対象施設がなく、施設の解体は、庁舎等が県南高等看護専門学院など17棟(計画値17棟)、県営住宅が県営江曽島住宅(1~3号棟)3棟(計画値3棟)、学校が大田原女子高校プール付属棟など2棟(計画値2棟)を実施した。

 下水道は、農業集落排水施設等の下水道への接続を宇都宮市、下野市、市貝町の3市町で実施。交通安全施設は交通信号機のうち、必要性が低減した(交通安全に支障の無いもの)30基を撤去した。

 「気候変動対策の推進」は、県有建築物の照明のLED化を11施設(計画値11施設)、空調設備の高効率化を2施設(計画値2施設)、太陽光発電設備の設置を4施設(計画値4施設)で実施。下水道のCO2削減量は4624トンで、消化ガス発電と処理場の適正運転の実施により計画値の4100トンを上回った。

 発電施設の照明設備のLED化は庚申ダムなど4棟(計画値4棟)で実施し、水道・工業用水道施設の再生可能エネルギー導入工事は北那須水道事務所の太陽光発電設備設置工事など2件(計画値2件)で実施した。交通安全施設の自起動発動発電機の整備は、電源付加装置(自起動発動発電機)信号機4基を修繕している。

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