保健医療大学の機能強化 幕張キャンパスに統合決定 (千葉県)
[2025/10/28 千葉版]
千葉県は27日、保健医療大学の機能強化に向けた基本方針を発表した。千葉市内の幕張と仁戸名の2カ所に立地しているキャンパスを幕張に統合し、施設整備を進めていく方向性が示されている。2026年度から基本計画の検討を進め、30年度の着工を目指す。
24年度に「保健医療大学の機能強化に向けた調査検討事業」を実施するとともに、有識者会議で検討し、本年5月に報告書を作成。その後、大学関係者や庁内の関係部局と調整を進め、「機能強化の基本方針」をとりまとめた。
施設整備については、幕張と仁戸名の2カ所に立地しているキャンパスを幕張に統合することを明記。老朽化が進む施設や設備の整備に当たっては、具体的な整備手法や整備スケジュールの検討を進めていくとした。報告書では幕張キャンパス統合の場合、2万2300平方m規模を想定している。
今後の想定スケジュールは、26年度から27年度にかけて基本計画や施設整備計画の策定を進めていく。その後、基本・実施設計を29年度までにとりまとめ、30年度の着工、32年度の供用開始を目指している。
学部については、看護学科の定員を1学年80人から100人に増員するとともに、3年次編入学枠(1学年当たり10人)を廃止する。新たに1学年25人規模の言語聴覚士養成課程を設置する。全体の収容人数は160人増え、900人となる見通しだ。
新たに修士課程40人、博士課程15人の大学院を設置し、高度・専門人材の育成を開始する。このほか、大学の附属機関として「デジタルヘルスサイエンスセンター」「ヘルスイノベーションリサーチセンター」「スキルアップ教育支援センター」を新設する。
幕張キャンパスの敷地面積は約4万3300平方m。施設は校舎棟や管理棟、図書館棟、学生ホール棟、講堂棟、体育館など延べ約1万5450平方m。1980年に完成し、築40年以上が経過している。
保健医療大学は県内に多くの保健医療関係従事者を輩出している。昨今の保健医療を取り巻く環境変化に対応した人材育成や施設・設備の老朽化への対応が急務となっている。
