来年度から本体工 新第一調理場 概算事業費は約32億円 コスト削減で平屋に変更(神栖市)

[2025/10/30 茨城版]
 神栖市は、新たな第一学校給食共同調理場整備の本体工事を2026年度から実施する。現在はパル綜合設計(水戸市)が実施設計の策定作業を進めている段階。施設規模はS造平屋床面積3222平方mで、概算工事費は31億9700万円(調理設備除く)と試算。工事は来年度早期の発注を見込んでおり、2年程度で整備する。供用開始時期は28年9月を想定している。

 建設地は息栖4005-25ほか2筆で、敷地面積が約8579平方m。市街化調整区域で、建ぺい率が60%、容積率が200%。電柱と高圧線、上水道などが整備済みで、今後下水道の整備も実施する。民有地であるため、地権者と44年間の地上権設定契約を締結した。

 整備にあたってはコスト削減を図るため、当初の2階建てから平屋に変更。階段室や昇降設備の設置が不要となった。概算工事費は31億9700万円で、基本計画段階から8000万円増額している。

 調理機能は既存施設と同様に一日あたり4000食分を提供し、アレルギー食(レベル3)にも対応する。市内では初めて炊飯機能を導入した施設となっており、第二・第三調理場を含めた8000食分を供給。

 また、災害時に停電した場合にも炊飯を可能とするため、ガス方式の導入や非常用発電設備の設置を計画。地球環境に配慮した省エネルギー化設備の整備にも取り組む。外構には64台分の駐車場のほか、駐輪場1カ所を整備する。

 施設は食育の推進拠点とし、映像で調理風景を見学できる機能を導入。さらには通路を活用した調理工程(調理室の一部)の見学、食育資料を展示した会議室の設置などを予定している。

 実施設計は来年2月をめどに策定し、26年度当初予算に工事費を計上。事業者選定後2年程度で整備を進め、調理機器の搬入を含めた準備作業を28年度初頭までに完了させる。厨房機器の整備業務は茨城アイホー調理機(土浦市)が担当している。

 現在の第一学校給食共同調理場(大野原6-5-13)は1991年建築で、構造がSRC造平屋1468平方m。建物や設備の老朽化が著しく、新施設の整備を行うことで、新たな学校給食衛生管理基準や食物アレルギーに対応する。

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