矢本駅自由通路の整備 次期総合計画案を示す(宮城県 東松島市)

[2025/10/30 宮城版]
 東松島市は、市第3次総合計画の案をまとめ、ホームページに公表した。計画期間は2026~35年度の10年間。この期間内に取り組む重点プロジェクトには「安全・安心にくらせるまちづくりプロジェクト」など11事項を設定。主な取り組みには矢本駅南北通路や避難道路の整備などを盛り込んだ。同計画はパブリックコメントを経て年内の策定を目指す。

 総合計画は市政推進の基本となる市の最上位計画。現行の第2次計画が本年度で終了することから、第3次計画を策定する。第3次計画は26~30年度を前期計画、31~35年度を後期計画とする。

 市が公表した案を見ると、第3次計画は第1~5章で構成。1章は計画の策定趣旨等、2章が人口ビジョン等、3章がまちづくりの将来像・基本理念・方向性・政策・施策と基本目標、4章が政策・施策・主要事業および地域別まちづくり構想並びに重点プロジェクト、5章が計画の推進となっている。

 まちづくりの将来像には「住み続けられ持続・発展する東松島市―誇れるまち、選ばれるまち、東松島プライド―」を掲げた。まちづくりの方向性には「産業と活力のある住みたくなるまち」や「災害に強くて快適で美しいまち」など5つを設定した。

 主な目標(前期期間)について見ると、市道改良整備率は2024年度の74・9%から75・9%へ、市道舗装整備率は85・7%から86・1%へ、特定防衛施設周辺整備調整交付金事業の総額は21~25年度の約14億円から約16億円(5年間の合計)へ、市内における再生可能エネルギー設備の設置導入量は23年度の7万1658kwから8万kwへとする計画だ。

 重点プロジェクトには▽安全・安心に暮らせるまちづくりプロジェクト▽移住・定住促進プロジェクト▽観光振興・交流人口拡大プロジェクト▽働く場創出プロジェクト▽持続可能な行財政運営プロジェクト――などを位置付けた。

 安全・安心に暮らせるまちづくりプロジェクトでは、避難道路の整備、矢本駅南北通路の整備、矢本駅前広場の整備、矢本駅舎の改修、北浦アパート跡地利活用(解体含む)、JR仙石線下小松踏切の改良などを進める。

 矢本駅南北自由通路については、現行計画で重点プロジェクトに位置付けているものの、実現できていない。矢本駅舎の改修も含め、JRとの協議・調整を経て次期計画内での実現を目指す。

 移住・定住促進プロジェックトでは、石巻地方拠点都市地域基本計画に基づく宅地開発と市街化区域の拡大、柳の目南工区や牛網別当住宅跡地等における宅地開発、空き家等対策・利活用の推進、民間事業者等活用による空き家の継続的調査などに取り組む。

 観光振興・交流人口拡大プロジェクトでは、三陸道矢本パーキングエリア(下り)と道の駅を結ぶ連絡通路の整備、野蒜洲崎湿地の活用、地域資源の再発見・魅力向上などに力を注ぐ。

 働く場創出プロジェクトでは、トップセールス等による企業誘致推進、県と連携した半導体関連企業等の誘致推進、石巻地方拠点都市地域基本計画に基づく産業用地の開発支援などを実施する。

 持続可能な行財政運営プロジェクトでは、防衛関連交付金等の活用推進、公立保育所の民間移行と再編、みちのくウエストラインの整備推進、国際拠点港湾「仙台塩釜港石巻港区」の活用などに取り組む。

 第3次計画の策定に当たっては、31日までパブリックコメントを実施し、12月1日の第3回市総合開発審議会で協議した後、同月上旬に最終案を確定、市議会12月定例会に上程して成案化を目指す。

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