栃木会館のみ年度内に 県庁舎周辺整備 跡地活用の事業者公募(県総合政策課)

[2025/10/31 栃木版]

 県総合政策課は、栃木会館跡地と宇都宮中央郵便局跡地の利活用に向けた県庁周辺整備事業で、栃木会館跡地と宇都宮中央郵便局跡地の事業者を別々に公募する方針を固めた。シンボルロードの将来的な拡幅に関連し、NTTと宇都宮中央郵便局跡地の土地交換等を検討した結果、相当の期間を要すると見込まれるためで、早期の有効活用を図るため栃木会館跡地を単独で公募する。公募の時期は、栃木会館跡地については当初の予定どおり年度内を目途とし、宇都宮中央郵便局跡地は土地の交換等の対応の状況を踏まえながら別途公募する。

 栃木会館は、かつて県庁の南正面にあったホールとオフィスビルの複合施設で、老朽化や耐震強度の不足から2016年に閉館した。その後は解体されて現在は芝生広場となり、暫定的にイベントなどの際に貸し出されている。

 また宇都宮中央郵便局は、2000年に宇都宮市中央本町の旧栃木県済生会宇都宮病院跡地へ移転し、跡地は県に引き渡されて新県庁舎建設期間中の仮庁舎として利用された。現在は駐車場として利用されている。

 同課では、この栃木会館跡地(約6150平方m)と宇都宮中央郵便局跡地(シンボルロードを将来拡幅した場合の想定面積約1600平方m)の利活用について、シンボルロードの将来的な拡幅事業もあわせ、民間活力を導入して県都の顔にふさわしい空間を創出していくよう検討を進めてきた。

 この検討中のシンボルロードの拡幅事業に関連して、両跡地の間に敷地を有するNTTから、事業への協力を検討する上で、通信機能の維持の観点を踏まえ「拡幅でビルが減築される部分の敷地と宇都宮中央郵便局跡地の一部との交換等」および「土地交換等に伴う測量等の準備のために相当の期間が必要」との意向が示された。

 同課はNTTからの意向を受けて検討した結果、栃木会館跡地単独で公募した場合でも事業者からの提案があると見込まれ、早期の有効活用が可能となることから、栃木会館跡地については当初の予定どおり、年度内目途に公募を実施することとした。また、宇都宮中央郵便局跡地は土地の交換等の対応の状況を踏まえながら、別途公募するとの方針を固めた。

 県庁周辺整備事業では、民間事業者を対象としたサウンディング調査結果をもとに、県庁前の県有地の利活用の方向性として業務機能を主とする「オフィスビル」、商業や業務など複数機能を有する「大規模複合施設」、スポーツ交流機能を主とする「低容積利用」の3つの開発パターンに類型化している。

 このうち「オフィスビル」のパターンでは、例として栃木会館跡地に業務機能、宇都宮中央郵便局跡地に利用者の駐車場機能を設け、業務機能については単独棟のオフィスビルを想定。「大型複合施設」のパターンでは、例として栃木会館跡地に商業機能や業務機能、医療機能など、宇都宮中央郵便局跡地に居住機能を導入する。商業・業務・医療機能等による複合施設を想定し、中央郵便局跡地には居住・商業機能を想定する。

 「低容積利用」のパターンでは、例として栃木会館跡地にスポーツ交流機能、宇都宮中央郵便局跡地に利用者の駐車場機能を設け、スポーツ交流機能では交流創出のためスポーツ施設や広場の整備を想定する。

 事業者選定では、アドバイザリー業務委託の公募型プロポーザルを実施し、八千代エンジニヤリング(本店:東京都台東区)に委託している。引き続きアドバイザーからの助言を受けながら、栃木会館跡地の年度内公募に向け、事業条件設定などの検討を進めていく。

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