事業費21億円を増額 国道6号酒門立体 事業評価委で継続承認(関東整備局)
[2025/11/1 茨城版]
国土交通省関東地方整備局は、10月27日に開かれた第4回事業評価監視委員会に「国道6号酒門町交差点立体」などを2件を諮問し、いずれも原案通り継続の方針に了承を得た。この事業では、排水側溝の付替えや、材料単価と労務費上昇などの対応へ21億円を増額し、事業費総額を約81億円としている。本年度の事業費には1億5000万円を確保。調査設計や酒門町地区の改良工事を進める。
酒門町交差点は、県を南北に結ぶ幹線道路の国道6号と東西に結ぶ基幹道路の国道50号が交差する信号交差点で、北関東自動車道の茨城町東ICと水戸南ICが近接する交通の要衝となっている。沿道には水戸市の中心部から連なる市街地が形成され、酒門町交差点への交通集中による渋滞、渋滞に起因する交通事故や車両の抜け道利用が課題となっている。
このため、交通渋滞の緩和と地域の安全性確保を目的に国道50号と交差する延長約1.1km(水戸市住吉町~酒門町、4車線、幅員40m)を立体化する。1988年4月に都市計画決定され、2021年度から事業化している。地元からの要望も高く、交差点付近の速度向上のほか、速度低下に起因する交通事故の減少、抜け道利用の減少による通学児童の安全性向上などが期待されている。
道路用地内の事業であることから、本年3月末現在の用地取得率は100%。事業化後の周辺では、23年9月に国道50号に結ばれる梅香下千波線の延長1kmが開通した。本年2月には、酒門町交差点の北側で国道6号と交差する中大野中河内線の延長200mが開通し、酒門町北交差点(通称・酒門六差路)が六差路から四差路へと変更された。
9月には、初の工事として「R7国道6号酒門町交差点立体改良外工事」を発注(東亜道路工業が施工)。工事では、事業箇所で道路標識の撤去・新設工事を行う。
今回21億円を増額した事業費の内訳は、排水側溝の付替えで約1億円、材料単価・労務費の上昇で約20億円。排水側溝の付替えでは、施工中の切回し道路で、当初は仮設道路として1車線あたり2.75mの幅員で計画していたものを、関係機関と協議により、交通事故予防の観点から1車線あたり3mの幅員を確保することとした。これに伴い、切回し道路の施工範囲が歩道部の既設排水側溝と干渉するため、排水側溝の付替えが必要になった。切回し道路の整備にあたっては、排水側溝付替えの追加や上下線分離施工への変更により施工に時間を要する見込みだが、引き続き早期供用を目指し工事を推進するとしている。
このほか、材料単価・労務費の上昇では、原材料費やエネルギーコストの高騰等に伴い、20年度に比べて材料単価・労務費が上昇。今後も上昇が継続する場合、更なる費用増加の可能性があることから増額した。
今回の諮問に当たり本県からは、「国道6号酒門町交差点が立体化することで、交差点での慢性的な渋滞の緩和、交通事故の減少などが見込まれることから、本事業の必要性は高く、事業を継続することは妥当と考える。早期完成に向けて事業を推進するとともに、徹底したコスト縮減を図るようお願いしたい」などの意見が出されていた。
