3期で施設改築 府中小学校 来年度から基本設計(石岡市)

[2025/11/08 茨城版]
 石岡市は、府中小学校の建て替えに向けた基本構想案を策定した。施設の構造はHRC造+木造2階建てを想定。既存施設の南側を中心に配置し、仮設校舎を設けず全3期にわたって段階的に整備する。2026-27年度に基本設計、27-28年度に実施設計をまとめ、29年1月ごろから1期工事に着手。3期工事が完了するのは33年1月ごろを予定している。

 校舎は敷地の南側に置き、中央部から常陸国分尼寺跡を眺望することが可能。普通教室は1学年2室の計12室を基本とし、児童数が増加した際には多目的室6室を充てる。特別支援教室は8室程度で、人数が少ない場合には分割して活用。このほか、特別教室や保健室、管理エリアなどの諸室を配置する。

 屋内運動場は地域開放時の利便性を考慮した場所に整備し、校舎棟と渡り廊下で接続。学習環境の確保や災害時の避難所機能の向上を図るため、空調設備を設置する。また、運動場の北側には入所定員160人の学童施設を設ける。共用の駐車場は敷地西側と南側に計94台を確保。

 構造は高強度コンクリート+木造を採用することで、経年劣化しにくい建物とする。また、躯体の高断熱化や自然採光・通風の導入、太陽光・自然エネルギーの活用など施設の省エネ化を検討。

 工事は全3期に分割して進めることで、児童の負担や事業費を軽減。1期工事では敷地南東側のプールを解体した後、新校舎(西側校舎・東側校舎)を建設する。

 2期工事では正門と既存の北校舎を解体し、新たな屋内運動場と学童施設を新設。3期工事では既存の学童施設と屋内運動場、東校舎の解体後、グラウンドや駐車場を整備する。

 今後のスケジュールとして、26-27年度に基本設計、27-28年度に実施設計を策定。その後28-30年度に1期工事、30-31年度に2期工事、32年度に3期工事を実施する。なお、基本設計策定後に実施する試掘調査・発掘調査の結果により、工程が後ろ倒しになる可能性がある。

 既存施設の概要が▽校舎[1](1967年建築、RC造3階建て2728平方m)▽校舎[2](75年築、RC造3階建て727平方m)▽校舎[3](80年築、RC造3階建て1797平方m)▽屋内運動場(71年築、S造2階建て857平方m)▽プール──。2021年度に実施した耐力度調査の結果を受けて、既存施設を全て建て替える。基本構想策定業務は若柳建築事務所・大山都市建築設計・和田建築設計事務所JVが担当した。

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