診療所や観光施設整備 過疎地域持続的発展計画 第2期原案に意見募集(日光市)

[2025/11/12 栃木版]

 日光市は、「第2期過疎地域持続的発展計画」の原案を公表した。それによると、対象地域は日光、藤原、足尾、栗山の各地域で、計画期間は2026年度から30年度までの5年間。人口の継続的な社会増状態の実現を目標に、各地域の持続発展のため市道や道路施設の改良や長寿命化、水道の老朽管更新、小中学校校舎改修や体育館整備などを推進するほか、足尾地域で診療所施設整備やデイサービスセンター改修、銅山観光施設整備事業などを位置づけている。=26年度から30年度までの主な事業計画は、4面に掲載する別表の通り

 市は、法律で過疎地域に指定された日光・藤原・足尾・栗山地域を対象に過疎地域持続的発展計画を策定し、住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正、美しく風格ある国土の形成のために過疎対策に取り組んできた。現計画が25年度末で終了することから、今後も過疎地域の支援を継続するため、新たに第2期の計画を策定する。

 計画の原案によると、基本目標は「人口の継続的な社会増状態の実現」と位置づけ、各事業を総合的かつ効果的に実施することで「転出者の減少」と「転入者の増加」を図り、過疎地域で継続的に社会増となる状態を目指す。

 事業のうち、産業の振興では各地域で公衆トイレ整備事業や温泉施設改修事業を実施するほか、足尾地域で銅山観光施設整備事業、栗山地域で水芭蕉園地整備事業、藤原地域でくろがね橋公園施設改修事業、日光地域で日光郷土センター改修事業などを実施する。

 交通施設の整備、交通手段の確保では、各地域で市道の改良や舗装・側溝の長寿命化事業などを進め、橋梁は足尾地域の地蔵坂橋、日光地域の古沢橋、藤原地域の黒鉄橋、栗山地域の開運橋など18橋の長寿命化事業を推進。合わせて、トンネルの点検や林道の改良なども進めていく。

 生活環境の整備は、水道施設として日光地域の老朽管更新や鬼怒川浄水場の施設改修を、下水処理施設として中宮祠・湯元水処理センター改築事業や流域下水道建設事業、資源化工場建設事業などに取り組む。

 消防施設は各地域の高機能消防指令システム設備等更新事業や防火水槽新設事業などを実施し、公営住宅も各地域で市営住宅等整備改善事業として市営住宅等の改修や解体などを実施していく。

 子育て環境の確保、高齢者等の保健および福祉の向上および増進では、日光地域で保育施設適正化事業を、足尾地域で(仮称)足尾デイサービスセンター改修事業を計画。医療の確保では、足尾地域で診療所施設整備事業などを位置づけた。

 教育の振興は、各地域の小中学校校舎改修事業や小中学校屋内運動場施設整備事業をはじめ、日光地域で日光小学校と日光中学校の外壁及び屋根防水改修工事を実施。給食施設は日光・藤原・足尾の各地域で、学校給食センター整備事業に取り組む。

 これらの事業計画では、公共施設マネジメント計画との整合を図るため▽コストを圧縮する▽ハコモノを減らす▽サービスの最適化を図る▽既存施設を長く利用する-の4つの基本方針を踏まえ、地域実業やまちづくりを考慮しつつ、地域住民に必要な機能(サービス)を総合的に判断し、拠点施設への機能集約や施設の多機能化を推進し必要な機能に務めるとしている。

 市は計画の原案を市役所の「情報公開コーナー」や各行政センター、各地区センター・出張所、ホームページなどで公表し、30日まで市民からの意見を募集している。意見は専用フォームに入力するか、意見提出用紙を持参・郵送・FAX・メールのいずれかの方法で提出する。

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