新技術活用を推進 横断歩道橋長寿命化 3年でエスカルロード改修(日立市)

[2025/11/18 茨城版]
 日立市は、2023年度から30年間を計画期間とする横断歩道橋長寿命化修繕計画を進めている。本年4月には計画を改定。点検や対策状況などを更新し、短期的な数値目標などを定めた。維持管理基本方針に基づき、点検や修繕、新技術の活用や集約化・撤去などを進める。計画では、30年間で43億9000万円を投じる予定だ。25-27年度の3カ年では、エスカルロードの改修工事を進める。

 市が管理する横断歩道橋は現在15橋(横断歩道橋8橋、跨線人道橋7橋)あり、建設後の平均供用期間は約43年。建設後50年を超える横断歩道橋の割合は5割を超え、32年度には約67%となるなど、老朽化が急速に進んでいく状況だ。

 今後の維持管理に当たっては、老朽化した横断歩道橋の増加が見込まれることから、定期点検要領に基づく近接目視による点検を5年に1回実施。健全性を4段階にて判定区分し、健全性について定量的に状態を把握していく。その後は、点検・診断結果に基づき必要な措置を効率的、かつ効果的に講じる。

 修繕設計や修繕工事(更新や撤去を含む)、定期点検には新技術等を活用。従来の工法や手法との比較検討を行い、導入に向けて積極的に取り組む。対象は修繕工事やその他近接目視点検を充実・補完・代替する技術など。短期的な数値目標として、28年までに市内全横断歩道橋のうち、3橋の横断歩道橋で新技術活用を検討。将来的な維持コストを500万円程度縮減することを目指すとしている。

 ことし3月現在の点検や対策状況を見ると、定期点検による健全性の判定結果は判定区分IV(緊急措置段階)がなし、III(早期措置段階)が3橋、II(予防保全段階)が7橋、最も健全性の高いIが5橋となった。

 日立駅周辺にある3橋の横断歩道橋については、迂回路が存在していることから集約を進める。22年度の点検により判定区分IIIとなった日立駅東跨線人道橋は撤去し、機能をエスカルロードに集約する。これにより、維持管理コストを1500万円削減できるとしている。

 日立駅東跨線人道橋の撤去工事はJR東日本に委託。23-26年度の4カ年で撤去工事を進めている。施工は東鉄工業水戸支店が担当し、来年3月にも完了する。

 機能を集約するエスカルロードでは、臨時改札の改良や修繕、エレベーター設置、長寿命化などを進めていく。本年度から工事に着手し、6月議会ではJR東日本との工事委託契約案を可決。契約金額は2億6158万円で、28年3月末の完成を目指す。

 このほか、対策の実施時期では、渡志跨線人道橋が28年度ごろから塗替塗装などを見込んでいる。

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