LRT延伸など反映 次期区域マス 21日から案の縦覧開始(県都市計画課)

[2025/11/19 栃木版]

 県都市計画課は新たな都市計画区域マスタープランを策定するため、21日から「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(案)」および「区域区分の変更に関する都市計画(案)」の縦覧を開始する。新たな区域マス案では、現行のプランから奥日光地域の新モビリティやLRT宇都宮駅西側延伸など県や市町の各種政策を反映させたほか、一部市町村合併に伴う合冊や、新たに公共交通軸の設定などを行う方針。案の縦覧のあとは都市計画審議会で審議して、26年3月末にも都市計画決定・告示する予定となっている。

 新たな区域マスでは、目指すべき都市構造を「多核ネットワーク型の都市構造『とちぎのスマート+コンパクトシティ2.0』」と位置付ける。目標年次は直近の国勢調査実施年の20年を基準年とし、20年後の40年の都市の姿を展望しながら10年後の30年とする。

 目指すべき都市構造の実現に向けては▽多様な主体との協働・連携▽まちづくりDXの推進▽子育て、医療、産業、環境など各種政策と連携した都市政策の展開-の3項目を都市づくりの基本姿勢とし、各種取り組みを進めていく。

 現行のマスタープランから主な変更点としては、「宇都宮都市計画区域と粟野都市計画区域」と「小山栃木都市計画区域と西片都市計画区域」をそれぞれ合冊する。鹿沼市と栃木市では、市町村合併により線引き都市計画域と非線引き都市計画区域(旧粟野町、旧西方町)が存在するが、国の統計調査では旧市町村ごとの結果がないため、旧粟野町は鹿沼市、旧西方町は栃木市として都市の現状分析と課題抽出を行っている。しかしながら、それぞれ都市づくりの基本的な方向性に相違がないため、鹿沼市や栃木市と協議したうえで区域マスタープランを合冊することにした。

 また、今回の変更で新たに公共交通軸を設定する。近年の人口減少に伴う公共交通の利用者の減少や、運転手不足などで公共交通サービスの維持・充実が課題となっている中、持続可能な公共交通サービスの構築を図るため24年3月に県地域公共交通計画が策定され、その中で公共交通軸が位置づけられた。コンパクト・プラス・ネットワークの実現には、拠点形成だけでなく、公共交通の確保と土地利用が両輪となって機能する必要があり、都市ビジョンにも土地利用と公共交通の連携強化を掲げていることから、公共交通軸を新たに設定する。

 このほか、次期マスタープランの設定にあたり、県や市町の各種政策も反映している。県の施策では、広域道路網の検討や奥日光地域の新モビリティの検討、「文化と知」の創造拠点整備など新たに記載。市町の政策も市町と協議して、LRT宇都宮駅西側延伸やスマートICの整備・検討、新庁舎整備、新産業団地整備(拡張)や市街地再発事業などの都市計画事業について新たに記載している。また新制度の活用として、地域未来投資促進法に関する記載を追加する。

 今回は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)に関する都市計画の変更で▽宇都宮都市計画▽足利佐野都市計画▽小山栃木都市計画▽西方都市計画▽粟野都市計画▽日光都市計画▽大田原都市計画▽矢板都市計画▽那須塩原都市計画▽さくら都市計画▽那須烏山都市計画▽益子都市計画▽茂木都市計画▽市貝都市計画▽塩谷都市計画▽那須都市計画▽那珂川都市計画-の17の都市計画案と、区域区分(市街化区域及び市街化調整区域の土地の区分)に関する都市計画の変更で▽宇都宮都市計画▽足利佐野都市計画▽小山栃木都市計画-の3つの線引き都市計画の区域区分を縦覧する。

 これら変更案を12月5日まで縦覧した後、26年1月に専門委員会で区域マス案を確定して、都市計画審議会で区域マスの策定と区域区分の変更を審議する。審議会で了解を得た後は、国の協議を経て26年3月末にも都市計画決定告示する。

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