29年度開通目指す 市道0139号線 真弓トンネルに135億円(常陸太田市)

[2025/11/20 茨城版]
 常陸太田市は、市道0139号線整備事業で、2029年度の開通を目指して改良工事や橋梁工事などを進めている。区間中には延長2084mの真弓トンネルを整備し、27年度にも着工する。トンネル工事にはNATM工法を採用し、約135億円を投じる計画だ。本年度の工事では今後、トンネルに結ぶ3号橋の下部工事を発注する見通し。上部工を製作中の6号橋では年明け1~2月にも架設工事に着手する予定で、同工事の現場見学会などを開催する。

 市道0139号線は、日立市内の国道245号から笠間市内の国道50号を結ぶ日立笠間線の一部として整備を行う市内区間。全体延長は幡町から日立市金沢町の山側道路に至る5480m(車道幅員6.5m、2車線)で計画する。市が整備する市道0139号線は延長5030m、日立市の金沢町地内道路(市道6750号線)区間は延長450m。日立市では市が改良工事などを行い、常陸太田市では全区間を県に委託して設計や工事を進めている。

 区間内には、計8カ所の橋梁(橋梁5カ所、跨道橋3カ所)と真弓トンネルなどを整備。全体事業費は約264億円で、このうち橋梁や跨道橋などには約86億円、トンネル区間には約135億円を投じる。

 18年度から調査設計、20年度から用地買収に着手。用地取得が完了した箇所から順次工事を進めている。延長ベースの工事着手率は約45%、面積ベースの用地取得率は約93%。残る用地のうち、西側の幡町から日立笠間線亀作ルートまでの区間は本年度中に取得が完了する見通し。残りの用地は土地収用法の手続きを進めているところで、26年度中の取得完了を目指している。

 市では、市民に対して事業への理解を深めることなどを目的に、10月31日と11月1日の2日間で進捗報告会を開催した。報告会には57人の市民らが参加。市が事業概要を説明したあと、工事を担当する県常陸太田工事事務所が進捗状況などを報告した。

 区間中、四季の丘はたそめ付近では、住環境への配慮として現在も基準値を超えている騒音対策や安全対策が必要だとした。騒音対策には現況の舗装を排水性舗装への変更を想定。安全対策では交差点のカラー舗装や道路照明の設置などを行うほか、セイコーマート前の交差点には歩車分離式などを要望する。通学で利用する児童も多いため、ガードパイプなどの防護柵も設置する。

 報告会で藤田謙二市長は、通勤時間の短縮や三次救急医療機関へのアクセス性向上など、「市民の暮らしと命を守る上で大きな期待がある」と整備意義を強調。続けて、「将来を見据えた持続可能な礎として着実に完成していきたい」と述べ、引き続き理解と協力を求めた。

 参加した市民からは、スケジュールや用地取得、四季の丘はたそめの付近の安全対策などの質問が出されたほか、地元周知に対する要望などがあった。スケジュールに対する質問には、29年度の完成目標は予定通りとしたうえで、事業費のコスト縮減に努める意向を示した。

 最後に藤田市長は、「市民にも工事現場にも足を運んでいただき、現場を見て貰いたい」などと述べ、今後も進捗状況を報告しながら事業を進めていく考えを示した。工事現場の見学会については来年2月ごろにも開催するもようだ。

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