社会資本整備に25億円 端境期の工事を債務負担(宮城県 11月補正予算案)
[2025/11/21 宮城版]
県は11月補正予算案を公表した。一般会計は19億3300万円を計上。債務負担行為では社会資本整備推進事業に計25億5600万円の限度額を設定した。内訳は交通安全施設や河川管理などの県単独公共事業(ゼロ県債)が23億2000万円、林道や治山の国庫補助公共事業(ゼロ国債)が2億3600万円。主に端境期に発注する工事の費用となる。
ゼロ県債の主な配分額は、融雪後の道路補修が10億9000万円、出水期前の河川掘削が9億円、仙台塩釜港仙台港区向洋地区の浚渫が1億7000万円など。
債務負担行為ではこのほか、仙台塩釜港環境調査事業に限度額4000万円、除雪機械整備事業に同2億2000万円を設定。仙台塩釜港の事業は、港湾計画改定のための環境調査を委託する。
債務負担以外では、災害復旧事業費として、林道施設の補助に1384万5000円。港湾施設に2490万円、都市公園施設に824万円を計上。
林道施設は4~5月の大雨で被害を受けた栗原市と南三陸町の計3路線が補助対象。港湾施設は10月の大雨で崩れた向洋海浜緑地(仙台市)の法面を復旧する。都市公園は10月の大雨で路肩が流出した加瀬沼公園(利府町)の園路を復旧する。
補正予算ではこのほか、ツキノワグマによる被害の防止対策として計2億200万円を計上しており、果樹の伐採、多言語注意看板の設置、内水面の養殖業者への電気柵の設置支援などに充てる。
ツキノワグマによる被害対策はすでに予備費のうち1億2200万円を活用して着手している。
補正予算案は、予算外議案36件とともに27日開会の県議会11月定例会に提出する。
予算外議案のうち、工事請負契約の締結が2件、工事請負変更契約の締結が9件となっている。
工事請負契約の締結は、気仙沼漁港岸壁整備工事を小野良組(気仙沼市)と5億5000万円、県松島高等学校校舎等改築工事を仙建工業(仙台市青葉区)と23億4850万円で契約する。
追加補正予算を準備
県は国の経済対策が発表され次第、速やかにそれに呼応した補正予算を新たに編成し、可能であれば11月定例会に追加提案したい意向を示している。
