旧角田女子高跡地が有力 校舎・体育館は新設 再編中学校の建設適地(宮城県 角田市)

[2025/11/18 宮城版]
 角田市は17日、角田中学校と北角田中学校の再編・統合校の建設用地として旧県立角田女子高校跡地を適地とする中間案を示した。県との協議・用地取得が必要となるものの、市中心部に近い立地や矩形で広い敷地、工事費など経済性の面から優位とした。中間案についてパブリックコメントなどを行って年明け1月をめどに確定し、整備内容を具体化する基本計画の策定に入る。建築設計の委託時期は2026年度第3四半期中となりそうだ。

 新中学校建設用地適地選定の中間案は、17日に開かれた市議会全員協議会の中で説明された。

 両中学校は人口減少・少子化などから統合・再編する。施設は既存施設の老朽化などを踏まえ、新設を決めた。統合・再編に向けては「新中学校建設用地適地選定及び基本計画策定支援業務」を国際航業(仙台支店・仙台市青葉区)に委託している。

 建設候補地は、角田中、北角田中、旧女子高の3つとし、地域代表者や保護者らで構成する学校適正規模検討委員会で検討を重ねたうえで、このほど旧女子高を候補とする教育委員会の報告をまとめた。選定の際には「立地」「防災性」「経済性」「学校運営への影響の観点」など11項目を総合的に評価した。

 旧女子高は中島上250に位置し、敷地面積が3候補のうち最も広い約3.9ha。体育館・武道館の一部が残るものの校舎は解体され更地となっている。敷地の形状が矩形でレイアウトの自由度が最も高い。中心市街地に近くスクールバスを利用する生徒が減少する見通しで、新築後の引越しとなるため騒音や生徒への影響もない。

 事業費については、新築費用のほか、県有地のため取得費用、体育館・武道館など既存施設の撤去費用が生じるものの、北角田中に続く2番目に安価となった。

 北角田中は既存施設の利用とし、校舎増築と体育館等の新築が必要。角田中は老朽化のため施設の新築と敷地の造成工事、仮設校舎が必要となることから工事費が最も高価という判定。両中学校とも工事期間中の施設利用ができず、騒音など学校運営への影響も大きい結果となった。

 今後行うパブリックコメントや住民説明会での意見を踏まえ、再度検討委員会で揉んで、来年1月後半に建設地を固める。確定後、整備基本計画の作業に入り、26年6月末をめどに策定する。この中で施設規模や施設配置、施設コンセプト、事業費のほか、PFIの活用を含む事業手法などについて明らかにする。

 新学校には学習内容・形態に合わせた柔軟に対応できる施設機能や最新のICT設備、バリアフリー・ユニバーサルデザイン、教室・体育館への空調設備設置、防災機能などを整える方針だ。

 基本計画策定後は、26年度の補正予算で関連経費を確保し、建築に係る設計業務を委託する。流動的ではあるが第3四半期ごろとなりそうだ。基本・実施設計の一括や入札・契約法式は未定となっている。

 なお、現時点で開校時期は示していない。同市の学校の適正規模に関する第3次行動構想期間中(28~33年度)の開校を見込む。

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