28年度にも工事着工 新庁舎整備方針で住民説明会(足利市)

[2025/11/27 栃木版]

 足利市は25日、マルニ額縁生涯学習センターで第1回となる新庁舎整備方針住民説明会を開催した。事前に申し込んだ市民約50人が参加し、早川尚秀市長をはじめ市職員らが、事業のこれまでの経緯を説明するとともに、質疑応答で住民の声に一つ一つ丁寧に回答した。この中で早坂市長は、概算のスケジュールとして2028年度に着工して、31年度には事業を完了させたい意向を示した。また、旧市役所跡地の活用については、移転完了までの期間で広く意見を求め、賑わい創出につなげていく考えを示した。

 説明会の冒頭、早川市長は「市民会館と市役所本庁舎の整備を最重要課題として位置付け、次の世代に不安を残さないためにも、最短で合意するという固い決意で検討を重ねてきた。様々な意見を踏まえた上で、全市民にとって最良の選択をする」と話して競馬場跡地を選択した理由などを説明した。

 続いて、整備方針決定へのプロセスなどについて、総合政策部公共施設マネジメント課の上武俊之課長が説明。新庁舎を競馬場跡地に整備する方針を固めた理由として、現市役所本庁舎の耐震不足や市民会館の代替が無い事などを挙げて「施設の早期整備が急務である」と説明し、市民の理解を求めた。

 市民との質疑応答では参加した市民から、地盤についての追加説明や日赤病院との駐車場の連携、周辺道路の混雑対応などの説明が求められたほか、大まかなスケジュール感の提示を求めた。早川市長は、あくまでも一般的なスケジュールを元にした全体像として、基本設計完了まで2~3年、施工に3年を要すると見込み、28年度中に着工して31年度にも完了させたいと話した。

 また、旧市役所跡地の活用については「移転完了までの期間で広く意見を求め、官民連携のうえで賑わい創出に尽力していく」と述べて、地域住民に庁舎移転への理解を求めた。

 新たな施設は、競馬場跡地に整備する。競馬場跡地は、他の候補地に比べ工事工程が最短でコスト縮減効果が一番大きいなどの事業実現性、さらには約7万3000平方mの広大な敷地による余剰地活用を含めた市民利便性向上等の観点から総合的に判断して決定した。

 この敷地に、新市民会館と市役所庁舎を一体的に整備することとし、延床面積は2万9200平方mと試算する。また、敷地面積に余裕があることから、市民ホールの席数を基本構想の1200席から300席増やして1500席とすることを検討しており、この場合は延床面積が2万9800平方m程度になると計算している。

 駐車場は地上平置きで600台を予定するほか、大型バスの転回場も可能と見込んでいる。また、計画規模降雨による敷地の浸水想定が1.3mと予測されているため、1.4m程度の盛土を行う事で対応することや、アクセス道路となる県道桐生岩舟線の混雑率が高いため交通量増加への対策も検討する。市民会館の土日利用時の駐車場については、日赤病院との連携や周辺余剰地等の活用を検討していく。

 第2回説明会は、28日午後6時からあしかがフラワーパークプラザで開催する。また公民館での説明会も、市内5会場で12月3日、5日、9日、10日、17日に開催する。説明会参加の申し込みは市ホームページから行える。各日程の対象地区は次の通り。

 [1]12月3日御厨公民館=御厨・筑波・久野・梁田地区

 [2]12月5日三重公民館=三重・山前地区

 [3]12月9日葉鹿公民館=葉鹿・小俣・三和地区

 [4]12月10日毛野公民館=毛野・富田地区

 [5]12月17日北郷公民館=名草・北郷地区

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