文化ホール大規模改修 補正予算で設計費確保へ(習志野市)
[2025/12/3 千葉版]
習志野市は2日、閉館した文化ホールについて、今後の対応を明らかにした。野村不動産(東京都新宿区)が商業施設の旧モリシア津田沼を部分的に再開する方針を示した場合、足並みをそろえ早急に文化ホールの使用を再開する必要があることから、大規模改修工事の準備に着手する。11日に提出する補正予算案に、設計委託料として2カ年で限度額8000万円の債務負担行為を追加する。改修工事費として約20億円を概算している。
JR津田沼駅南口の再開発事業については今年5月、野村不動産が、再開発事業の認可に向けた各種手続きを一時中断する方針を公表した。建築費の動向を含めた社会情勢を見通せないのが理由で、同社では、事業再開の見通しが立った際には、あらためて権利者などの同意を得ながら、事業認可に向けた手続きを再開したいとしている。
一時中断期間中の商業施設については、年度内に部分的な再開の可否を含め判断することにしており、再開が決まった場合、早急に文化ホールを改修する必要があることから、事前に設計委託料を計上することにした。
文化ホールは1978年の竣工、規模はSRC造延べ6969平方m。ホール客席数は1475席。
主な改修箇所として、故障した空調設備のほか、屋上防水や舞台機構を想定している。2026年度中に契約を締結し、28年度中に再開。暫定的な運営期間は、おおむね10年程度を見込む。
パイプオルガンについては、早急に湿度管理が可能な倉庫に保管する必要があるため、追加補正予算案に撤去費として約2000万円を計上し、年明けから取り外しを進める。パイプオルガンの今後の対応については、暫定再開の方向性が出た後で検討する。
パイプオルガンは当時の価格で約1億円をかけて設置された。県内の公共ホールでは唯一のパイプオルガンとなっている。解体・設置作業にはドイツから技術者を招へいすることが必要となる。
野村不動産は、市街地再開発事業の総事業費が、24年時点から440億円増え、約2060億円になるとの見通しを示している。
