マリンスタジアム再整備 基本計画策定支援プロポ2件公告 (千葉市)
[2025/12/9 千葉版]
千葉市は、千葉マリンスタジアム(美浜区)の再整備に向けた基本計画策定支援業務2件について、プロポーザルの手続きを公告した。新スタジアムの機能や構造などの技術的検討、整備・管理運営手法などの事業化検討をそれぞれ進めていくもので、委託限度額は順に1億5700万円、5600万円。12日まで参加申込書を受け付けている。
マリンスタジアムは年間200万人以上が訪れる幕張新都心のにぎわいの核となっている。竣工から35年が経過し、老朽化への対応や機能更新などの課題が生じている。
これらの課題に対応するため、本年9月に「千葉マリンスタジアム再整備基本構想」を策定。幕張メッセ駐車場に新たなまちづくりの拠点となるスタジアムを再構築する方向性が示されている。
基本構想を踏まえ、基本計画の策定に乗り出す。策定支援業務は「技術的」「事業化」「交通計画」の3つの検討業務に分離して委託する方針。このうち、「技術的」「事業化」の2件の検討業務について、公募型プロポーザルの募集要項を公表した。
技術的検討業務では、スタジアム形式を決定するため、基本構想で整理した機能や規模を踏まえ、「屋外型」と「全天候型」の比較用モデルプランをとりまとめる。
このほか、建設コストや修繕コストの概算、設計や建設期間の概略検討、整備方針の作成、土地利用計画や配置計画、収容人数や座席数の検討、導入する機能や仕様の整理などを担当する。
事業化検討業務では、技術的検討業務で作成する「屋外型」と「全天候型」の各モデルプランについて、収支予測やシミュレーションを実施。スタジアム開業までのスケジュールを検討していく。
想定される整備・管理運営手法ごとに、全体スケジュールなどを踏まえた定性的評価と、収支シミュレーションなどによる定量的評価を実施し、最も適した整備・管理運営手法を選定する。
プロポの参加資格要件として、業務実績などを求めている。24日まで企画提案書を受け付け、選定委員会によるヒアリングなどを経て、2026年1月中旬までに優先交渉権者を特定する。
神谷俊一市長は11月、千葉ロッテマリーンズからの要請を踏まえ、ドーム化の可能性を再検討する考えを表明した。屋外型とドーム型の比較検討を進め、26年3月ごろまでスタジアムの形式を決定する方針を示した。
基本構想では、県が所有する幕張メッセ駐車場(約11ha)に、幕張新都心の新たなまちづくりの拠点となるスタジアムを再構築する方向性が示されている。
新たなスタジアムの姿として「まちとシームレスにつながるエンターテインメントスタジアム」を掲げる。市民が利用できる公共施設としてのベース機能に加え、民間事業者の投資による整備を想定した拡張機能を誘導し、365日楽しめるスタジアムを目指す。
概算事業費は、ベース機能のスタジアム整備費として約600億円を試算。スタジアム用地の外構費を含む周辺インフラ整備費は50億円規模を想定している。
基本構想策定業務はEYストラテジー・アンド・コンサルティング(東京都千代田区)が担当した。
