年度内の上部工発注へ 中橋架替事業 債務負担を62億円に変更(県都市整備課)
[2025/12/9 栃木版]
県は県議会通常会議に上程中の一般会計補正予算案(第5号)で、債務負担行為の追加・変更を行う。このうち変更については、都市計画道路家富町堀込線の中橋架替事業に関し、街路づくり事業(補助)の2026~27年度の限度額を総額18億円から総額62億円に変更する。中橋の上部工やJR両毛線をまたぐ軌道上の上部工桁架設について、国やJR東日本との協議が整ったことから、前倒して25年度から工事発注、およびJR東日本との協定締結ができるよう変更する。
都市計画道路3・5・102号家富町堀込線の中橋工区は、中橋付近で渡良瀬川の堤防高が不足しており、またJR両毛線を横断する宝来社街道踏切の前後で交通渋滞が発生しているほか、踏切部に歩道がなく安全確保が課題となっているため、国・県・足利市が連携して中橋の架替えとJR両毛線横断部の立体化を実施している。
事業箇所は足利市通2丁目から南町までの延長644mで、幅員は現況の11.9mから、渡良瀬川の橋梁部が既設の3連アーチを側人道橋(6.3m)に利用するとともに、新たに車道2車線と歩道や自転車通行帯など12.5mの中橋本橋を新設。またJR両毛線の高架部は、車道2車線と付加車線、および歩道や自転車通行帯をあわせ21.0mで架設する。事業期間は21年度から、27年度までの7カ年を予定している。
これまでに、中橋3連アーチを移設した側人道橋の供用を開始しており、宝来社街道踏切の迂回路の踏切も設置している。引き続き、渡河部で中橋本橋の下部工に11月から着工しており、高架橋部はJR両毛線の跨線橋の下部工および上部工を発注した。25年度末時点の進捗率は、事業費ベース(支払済額)で39%の見通しで、渡河部の下部工や跨線橋の既発注分も含めると50%まで進捗している。
残事業については、渡河部の工事が約72億5000万円、高架橋部の工事が約30億4000万円、取付道路・堤防上道路工事が約16億5000万円、各種調査費が約4億4000万円、占用物件等補償費が約3億1000万円など、計128億9000万円を予定する。工事は予定通り、11月から渡河部の下部工と高架部の跨線橋の上下部工を進めており、次年度以降は渡河部の橋梁上部工や道路の築造を実施して、28年春の事業完了を目指す。
なお、県や国土交通省渡良瀬川河川事務所はこのほど事業の再評価を行い、全体事業費を103億円増額して、当初の107億円から210億円に変更する。事業は国、県、足利市の共同事業で、210億円のうち国が渡良瀬川の堤防かさ上げに74億円、県が道路拡幅等の整備に要する費用に133億円、市が取付道路など市道の整備に要する費用に3億円の割合で負担する。
増額分103億円のうち工事費は91億円で、内訳は労務・資材単価の高騰による増額が53億円、設計条件の変更に伴う杭長の見直しに伴う増額が31億円、3連アーチ橋の移設工法の見直しによる増額が7億円となる。用地補償費は、補償算定額の見直しにより12億円を増額する。
