再構築へ市場調査 深芝処理場 2段階で全面改築工事(県鹿島下水道)

[2025/12/11 茨城版]
 県鹿島下水道事務所は、深芝処理場の再構築に係るマーケットサウンディング調査を実施する。現有敷地内での全面改築と施工段階の処理能力確保に向け、事業者の参入意向や事業範囲案、再構築の課題に対する意見を募集するもの。改築工事は2段階で進める計画で、処理機能の増設なども図る。

 深芝処理場は1970年9月から供用を開始。鹿島臨海工業地域(高松地区を除く)から排出される産業排水と神栖市の生活排水を生物・薬品処理し、鹿島灘に放流する役割を担っている。

 2017年度からは、長寿命化計画に基づき改築更新事業を進めているが、土木躯体の標準耐用年数(50年)を経過しているため処理場再構築が必要と判断した。再構築にあたり、狭あいな用地内で稼働を続けながら実施しなければならないなどの課題がある。現在は再構築計画の検討に着手し、最適な再構築案の策定と官民連携手法の導入を検討している。

 24年度には、A系・B系水処理施設(合計処理能力16万5000立方m/日)などを対象に再構築計画最適化検討業務を実施。再構築事業の条件として、スクラップアンドビルドによる現有敷地内での全面改築(土木・建築躯体・機械・電気)と全施工段階で処理能力16万5000立方m/日を確保することなどを定めた。

 このほか、▽水処理方式は標準活性汚泥法(初沈・終沈2階層、深層式反応槽による省スペース化)▽将来的な処理機能の増設(全体計画33万立方m/日)を見越した増設スペースや施工スペースなどの拡張性▽事業計画見直し(曝気油脂分離槽・pH調整槽廃止)による余剰スペースの活用──などを盛り込んだ。

 改築は2段階程度の手順で進める。ステップ1-1では、沈砂池・ポンプ棟・塩素混和池改築後、既設沈砂池・ポンプ棟・消毒槽を撤去。加えて曝気油脂分離槽・pH調整槽を撤去したスペースにA系最初沈殿池2階層(12万5000立方m/日)を再構築し、その後既設A系最初沈殿池を撤去するなど既存施設撤去とスペースを活用した新設を想定。各施工段階では、既存施設から新施設への導水配管の切り替えが発生する。ステップ1-2では再構築A系増設(4万立方m/日)と既設B系水処理施設の撤去を実施する。

 ステップ2では、B系水処理施設増設(16万5000立方m/日)を増設。増設後の新設水処理施設の合計処理能力は33万立方mを見込む。

 マーケットサウンディングでは、アンケート調査のほか個別ヒアリング調査を行い、事業者の参入意向や事業範囲案、再構築の課題に対する意見を募集する。アンケートの回答期限は今月26日まで。26年1月下旬から2月上旬に結果を公表。個別ヒアリングは、アンケートで協力可能と回答した事業者に対し1月中旬以降から順次行う。アンケート調査票はメールによる申し込み。

 各種問い合わせは施設管理課(担当・石井)まで。メール(kage@pref.ibaraki.lg.jp)によってのみ受け付ける。

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