来年度に造成工 道の駅 本体工事は27年度から2カ年(那珂市)

[2025/12/13 茨城版]
 那珂市は、複合型交流拠点施設「道の駅」推進事業で、実施設計や用地取得などを進めている。いずれも年度内の完了を予定し、2026年度は造成工事に着手する計画だ。順調に進めば、27-28年度で本体工事を進め、28年秋ごろの開業を目指す。

 道の駅の建設地は、飯田地内の那珂インター線と菅谷・飯田線(バードライン)に面する飯田押敷交差点北西側の約4万3000平方mの敷地を活用する。24年度は建築家の藤森照信氏(藤森研究室)を起用し、エイプラス・デザイン(水戸市)と共同で基本設計を策定した。本年度も藤森氏とアドバイザリー契約を交わし、同社とともに実施設計をまとめている。

 建物の意匠は、焼杉を使用した南向きの「山」を作ったシンボルとし、「里山」をコンセプトとした木造の施設を配置。敷地内に4棟の建築物を建設する。シンボルとなる「山」の裏側に配置する南棟は2階建て、ほかの3棟は平屋。建物の周囲は回廊で結び、施設全体にひとつのまとまりを持たせる。

 建設規模は4棟で延べ約2825平方m。このうち、2階建ての南棟(約820平方m)には、1階に店舗や厨房加工施設、観光情報案内スペース、エントランス、事務室など、2階にフードホール(108席)や厨房などを配置する。敷地内には駐車場のほか、イベントスペースやプレイゾーンなどを整備。駐車場は一般418台分を含む計528台分を設置する。

 このうち、プレイゾーンについては、市民の利便性向上や子育て世帯の来訪・滞在を促進することを目的に屋内(北棟)と屋外に設置する計画だ。このエリア内に導入する遊具などでは、ことし7月に専門的な知見や実績を有する民間事業者等からの提案を募集した。その結果、5者から提案を受け、自然を活用した設備などの意見があったという。有効な意見は、実施設計の中に盛り込んでいく考え。

 概算事業費は29億3000万円で、内訳は建築工事に19億1000万円、外構工事に6億4000万円、造成工事に3億8000万円。現在策定中の実施設計で精査を進めているところで、年度末には事業費が確定する見通しだ。

 建設地は調整区域のため県と事業認定に向けた協議を行い、認定後から用地取得を進めているところ。施設の運営には第三セクターの設立を予定し、経営戦略アドバイザリー業務を船井総合研究所に委託している。

 関連事業では、整備予定地に沿って那珂インター線と菅谷・飯田線を結ぶ外周道路を新設。外周道路から那珂インター線へアクセスできる交差点と、菅谷・飯田線の北側へ信号機を設置した交差点を設ける。

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