大屋根とZEB化 新庁舎 来年度後半から実施設計(河内町)
[2025/12/16 茨城版]
河内町は、新庁舎の基本設計業務を担当する楠山設計・相澤建築設計事務所JVの提案概要を明らかにした。社寺建築に似た大屋根の設置とNearlyZEBの実現が特徴。現段階で施設は3階建て延べ床面積約2900平方m、概算工事費は約24億2000万円(税込み)を想定。2026年度後半からは実施設計に取り掛かる計画で、28-29年度の2カ年で建設工事に取り組む。
大屋根は周辺の豊かな田園風景に溶け込むとともに、町民にとっての新たなシンボルに位置付ける。周辺環境を最大限活かすことで、安心して過ごせる庁舎を目指す。
1階の町民ラウンジはかわち丸広場(南側)と穂平テラス(北側)との一体的な利用が可能な計画とし、さまざまな町民活動を展開。2階の多目的ルームはまとまった大きさの部屋を確保し、活動を町全体へ発信する。3階のホワイエは田園風景と筑波山を臨める展望ロビーになる。
防災拠点としては1階床レベルを周囲地盤より1.2m上げることで、水害時の浸水被害を最小限に抑える。インフラの多重化により、災害発生時の初動期から復旧期まで業務継続できる計画。構造はRC造またはS造で検討しており、地盤調査の結果を踏まえて今後決めていく。
環境への配慮ではNearlyZEBの実現を目標とし、直射日光のあたらない立面計画とすることで空調エネルギーの負荷を低減。タスクアンビエント照明を採用することで、省エネと快適性を両立する。
庁舎への動線上には雨風をしのぐアプローチルーフを検討。駐車場は176台を確保し、見通しが良く利用しやすい計画とする。バスロータリーは出入口に近接した場所に配置。
施工にあたっては完成後に既存庁舎を解体する工程を考慮し、安全性や騒音・振動の低減に配慮した計画を立案。また、事業費抑制のため、外皮の高断熱化や高効率・長寿命な設備機器の採用、自然エネルギーの利用を検討する。
新庁舎の整備は現庁舎の老朽化・狭あい化などを受けてのもの。改修による機能回復・課題解決は困難であることから、建て替えにより抜本的な改善を図る。建設地は現庁舎駐車場の西側とし、約2870平方m敷地を拡大する。
