2カ年で本体工事 消防本部庁舎移転 来年度早々に発注手続き(大洗町)
[2025/12/18 茨城版]
大洗町は消防本部庁舎の移転改築工事に向け、2026年度から本体工事に着手する。工事発注は年度早々から手続きに着手し、工事契約案は第2回町議会定例会への上程を見込む。工事は27年秋冬ごろまでの2カ年をかけて進める予定だ。現時点の延べ床面積や概算事業費は未定。
本事業は、現本部庁舎の老朽化や職員数の増加、車庫の容量超過などに対応するためのもの。また、11年3月の東日本大震災の際には津波による床上浸水被害を受け、現在も津波浸水想定区域内に立地していることから高台へ移転する。
建設予定地(大貫町1446)の大貫台は敷地面積が約1万平方m。現本部から南西約3.2kmの高台にあり、海抜は32-34m。地震・土砂災害のほか津波・洪水による浸水の可能性は低いとしている。国道51号線や都市計画道路・船渡大洗線を用い迅速な出動が可能。
移転候補地の選定にあたり、各種災害の想定区域外であることやアクセス性、敷地面積などの観点から評価を実施。加えて本部庁舎建設の基本理念として、災害に対する消防・防災体制の維持、最大限の消防力を発揮する職場環境、機能・経済性を考慮し大貫台を選定した。
敷地内の主な施設は消防本部・消防署からなる庁舎棟、燃焼実験室などを備える訓練塔、車庫棟などを整備する。実施設計は柴建築設計事務所(水戸市)がまとめた。
庁舎棟は2階建てを想定し、消防本部には消防長室や本部事務室、会議室、災害対策室、更衣室など運営に必要な部屋を設置。消防署では事務室や書庫、仮眠室、休憩室、トレーニング室、乾燥室、ミーティングルームなどを組み込む。また、エントランス・通路部分を活用した展示スペースで来庁者にポスター・訓練写真の掲示などを行う。
訓練塔は3階建てで、冬季・荒天時にも訓練が実施でき、救助技術訓練や火災防御訓練が可能な設備を導入。燃焼実験室や実火災訓練室、救助訓練施設などを設ける。
本体工事に先立ち、本年度は敷地の造成工事を実施中。6月4日に一般競争入札を執行し、大貫工務店・戸塚建設JVが2億3800万円(税抜き)で落札。26年3月を工期に工事を進めている。
