救命救急棟の増築に事業費96億円概算 横河で設計進む(成田赤十字病院)

[2025/12/17 千葉版]
 成田赤十字病院(成田市)は、病院敷地内に救命救急棟を増築する。規模は4階建て延べ7200~7300平方m。基本設計は横河建築設計事務所(東京都品川区)が進めており、年明けにも実施設計に着手する。工事は解体を含め2027年度初めにも一般競争入札で発注し、既存建物の解体後、28年度の着工を見込んでいる。概算事業費は既存建物の解体を含め96億円。

 救急救命棟は、研修棟を解体した跡地に建設する。

 計画では、既存施設の老朽化や狭あい化などの課題を解消するとともに「救命救急センター」や「地域災害拠点病院」としての機能を強化する。

 諸室として、救命救急センター(災害対応型救急室)や内視鏡検査室・血管造影室、手術室、機材室、集中治療室、研修・会議室、新生児センターなどを想定している。

 1986年に竣工した既存のICU・救急病棟(F棟)は、耐震性は有しているものの老朽化が進行、狭あい化によりECMOの運用や個室による感染管理が困難となっている。また、救急車進入路・停車スペースが不足し、動線の複雑化などの課題を抱えている。

 救命救急棟の増築計画に伴い、成田市は5日付で、地区計画「成田赤十字病院地区」を都市計画決定した。同病院が立地する敷地は、容積率200%のところ、すでに約199%を使用していることから、300%に緩和することで医療施設の充実を図る。

 また、歩道のない区間を避けて国道側にアクセスできる歩行者空間を定め、将来の病院施設の更新に合わせて整備する。

 なお、24年10月にオープンしたアメニティー棟の設計は横河建築設計事務所、施工はイチケン・東京支店が担当した。

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