北千葉道路II期を了承 鉄道交差部の橋梁107億円増(県土整備評価審)
[2025/12/23 千葉版]
県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が22日、オンラインと併用で開かれた。道路事業や土地区画整理事の必要性や妥当性を再評価した結果、いずれも事業を「継続」するとの対応方針案が了承された。北千葉道路II期の整備事業では、鉄道交差部の構造をトンネルから橋梁に変更することに伴い事業費を107億円増額することがわかった。
再評価の対象は、道路事業の「国道464号北千葉道路II期」「国道409号富里拡幅」「国道409号茂原一宮道路」と、土地区画整理事業の「柏北部中央地区」「運動公園周辺地区」の計5件。
成田市押畑と大山を結ぶ北千葉道路II期では、鉄道交差部の構造形態変更や労務単価や資材コストの上昇などに伴い事業費を590億円に170億円増額し、期間を2040年度まで10年間延長する。
関戸地区における鉄道交差形式は、地盤の変位を考慮した。県道交差形式も平面交差からランプ形式に変更する。
富里拡幅では、用地取得に伴う補償工法の変更などにより事業費を90億1000万円に9億5000万円増額し、期間を31年度まで5年間延長する。
事業費増加の要因となった補償工法の変更では、事業者が十分な駐車場面積を確保できるよう敷地内での再築を取り止め、敷地外に移設する。
茂原一宮道路では、工事費の増加などにより事業費を215億1000万円に41億9000万円増額し、期間を31年度まで4年間延長する。増額分の内訳は、盛土材料の変更26億2000万円、横断函渠の新設4億9000万円、地盤改良工の追加7億4000万円など。
地盤改良工事は、調査により軟弱地盤が確認された5号橋梁背面盛土区間など3カ所で実施する。
一方、土地区画整理事業の柏北部中央地区では、土地利用計画の変更などに伴い事業費を1187億円に96億円増額し、期間を31年度まで3年間延長する。合意形成が遅れていた大室地区の土地利用計画を見直すほか、3号近隣公園の一部を小学校グラウンド用地に転用し、9号街区公園を追加することなどを計画している。
運動公園周辺地区では、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の解消や、物価上昇に対応するため事業費を1022億円に134億円増額し、期間を32年度まで3年間延長する。
レッドゾーンの対象箇所は12カ所。21年の土砂災害防止法の改正に伴い新たに対応が必要になった。
今回の見直しに伴い、事業全体の費用便益比(B/C)は、北千葉道路II期が1.1、富里拡幅が2.7、茂原一宮道路が1.2、柏北部中央地区が2.3、運動公園周辺地区が1.5となる。
