全3期で141億円増額 牛久土浦BP 排水施設追加や交差部変更(関東整備局)
[2025/12/24 茨城版]
国土交通省関東地方整備局は、第5回事業評価監視委員会に国道6号牛久土浦バイパス関連の全3期区間を諮問。いずれも原案通り継続の方針に了承を得た。資材高騰や排水施設(調整池、雨水管)の追加、既設道路との交差部変更など総額で141億円を増額している。
牛久土浦バイパスは、国道6号の牛久駅から荒川沖駅周辺の市街地区間の慢性化した渋滞解消と交通安全の確保、圏央道とを結ぶアクセス道路などを目的に計画。1994年4月に牛久市遠山から土浦市中間の延長15.3kmを都市計画決定したあと、2000年2月に圏央道の県内区間と合わせてI期区間(延長5.2km)の起工式が開催され、整備を進めてきた。
11年11月までには国道408号から学園東大通りまでの延長3.9km区間が2車線で開通。14年度には谷田部牛久線から国道408号までと、学園東大通りから国道6号までのII期区間(延長4.6km)を事業化。18年度には、城中田宮線から谷田部牛久線(牛久市城中町~つくば市高崎)までの延長5.5kmをIII期区間として着手した。
その後、22年3月に起点側国道6号から都市計画道路城中田宮線までの延長1.3kmが暫定2車線で開通。ことし3月には、I期区間とII期区間の整備推進へ土地収用法に基づく事業認定が告示されている。
I期区間では今回、事業費18億円を追加し、総額を約388億円とした。事業費増額の内訳は、物流機能の強化によるものが10億円、材料単価・労務費上昇分が8億円。物流機能の強化では、19年度に牛久土浦バイパスと交差する国道408号、学園東大通り(県道土浦つくば線)が国際海上コンテナ車の通行に対応する道路に指定。建築限界が4.5mから4.8mに変更されたことに伴い、交差部の嵩上げや、影響範囲の縦断線形及び擁壁の構造の変更が必要となったとしている。
II期区間では69億円を増額し、総額を約289億円とした。内訳は、排水施設(調整池、雨水管)の追加に20億円、既設道路との交差部構造変更に38億円、埋蔵文化財調査面積の増加に3億円、材料単価・労務費の上昇などに8億円増額とする。排水施設では当初、既存の河川に直接放流する計画だったが、既設水路管理者への確認では、近年のゲリラ豪雨の状況を踏まえて水路への放流量を制限する方針へ変更となったことから、調整池と調整池までの道路排水を流す雨水管を追加する。既設道路との交差部構造変更では、地質調査結果に基づき地下水位を想定していたが、追加の調査から当初想定より地下水位が高いことが判明したため、仮設土留めの変更、函渠下の地盤改良、擁壁形式の変更の対策の必要が生じた。
III期区間では材料単価・労務費の上昇などにより54億円を増額し、総額を約434億円とした。
今後の事業見込みによると、I期およびII期区間は用地買収に時間を要しているが、引き続き引き続き調査設計、用地買収(土地収用含む)、工事を進め、早期開通を目指す。III期区間では、用地取得を進めて早期開通を目指す一方、稲荷川並行区間については将来的に高水敷として河川区域となることが見込まれる箇所であり、道路構造について協議中であるため、条件が整った段階で事業費への影響を確定する。
