再評価の継続「妥当」 簗瀬町工区で事業費51億円追加(県公共事業評価委)
[2026/1/15 栃木版]
県公共事業評価委員会(委員長・大澤和敏宇都宮大学農学部教授)は14日、県庁で2025年度第4回の委員会を開き、事業の再評価と事後評価を行った。再評価は、県土整備部所管の道路事業が主要地方道川俣温泉川治線の若間工区など2件、街路事業が宇都宮都市計画道路3・3・102号宇都宮水戸線外1路線の簗瀬町工区など2件、河川事業が一級河川菊沢川の1件で、このうち4件を個別審議。それぞれ事業期間や全体事業費を見直したが、委員会は事業継続が「妥当」との意見を取りまとめた。このほか、事後評価で道路事業2件と農地整備事業1件を報告した。
県は、事業採択後一定期間が経過して未着工の事業や、再評価実施後一定期間が経過している事業、または社会経済情勢などの急激な変化、技術革新、事業計画の大幅な変更などで再評価の必要が生じた事業などで、再評価を行っている。その際に、事業計画に大幅な変更があるものや推定便益・推定事業費の変更がプラスマイナス10%を超える事業などについて重点的な審議(個別審議)を実施し、それ以外は一括審議を行っている。
今回審議した主要地方道藤原宇都宮線の上田原北工区と主要地方道川俣温泉川治線の若間工区、都計道宇都宮水戸線外1路線の簗瀬町工区、および菊沢川は、前回評価時から推定便益や推定事業費の変更が10%を越えるため、それぞれ個別に審議した。
主要地方道藤原宇都宮線の上田原北工区は、宇都宮市金田町から上田原町まで、延長2000mのバイパスを暫定2車線で整備している。今回の再評価では事業期間を28年度まで3年間延伸し、全体事業費も3億円増額して22億円に変更する。
事業費増額の内訳は、工事費の増額が5億円と、用地補償費が物件調査により2億円の減額。工事費は建設資材や労務単価の高騰による工事費の増額が3億円、週休2日制工事やICT施工に伴う工事費の増が2億円となっている。
主要地方道川俣温泉川治線の若間工区は、落石等の防災危険箇所が多数存在し、幅員も狭あいで屈曲箇所が多いことから、狭あいな区間を拡幅するとともに、防災危険箇所を北側に迂回するトンネルを整備する。再評価では、事業期間を当初の27年度までから35年度まで8カ年延伸し、総事業費も工事費で39億円、用地補償費で1億円の計40億円増額する。
工事費増の内訳は、建設資材や労務単価の高騰による工事費の増額が23億円、トンネル工事の残土の運搬先の確定による工事費の増額が2億円、トンネル地質調査を踏まえた工法変更による工事費の増額が6億円、週休2日制工事やICT施工に伴う工事費の増が8億円で、用地補償費は物件調査の結果で補償費が1億円増額となった。
都計道宇都宮水戸線外1路線の簗瀬町工区は、事業区間の前後が4車線で供用されているが、JR東北本線との立体交差部が2車線に絞られボトルネックとなっていることから、立体交差部の拡幅事業を実施している。
今回は、事業期間を当初の30年度までから4年延伸して34年度までとするほか、全体事業費も51億8000万円を追加し、165億円とする。事業費は、工事費が建設資材や労務単価の高騰で24億9000万円、鉄道事業者との協議による追加工事で23億6000万円、週休2日制工事やICT施工に伴う5億5000万円の、計54億円を増額。用地補償費は、用地調査を実施し補償費を精査して3000万円を増額するほか、埋設物移設補償費2億5000万円を減額する。
一級河川菊沢川は、事業区間の川幅が狭く流下能力が不足しており、関東・東北豪雨や東日本台風の際には浸水被害が発生したことから、河川断面の拡大を図る。今回の再評価では、事業期間を16年間延伸して39年度までとするほか、総事業費も33億円増額して62億円とする。
事業費増の内訳は、工事費が建設資材や労務単価の高騰により4億7000万円、国道50号交差部の函渠整備で道路管理者との協議による工法の変更により22億1000万円、鉄道管理者との協議による橋梁補強工事の増で5億8000万円と、用地補償費が4000万円の増となった。
一括審議では、大田原都市計画道路3・3・3号野崎こ線橋通り外1路線の野崎工区について、事業期間を7年間延伸して35年度までとし、全体事業費も1億8000万円増額すると説明した。
事後評価は、道路事業の国道119号水無バイパスと国道400号下塩原バイパス、および農地整備事業の佐川南地区について、事業の整備効果を報告した。水無バイパスは、観光周遊の促進や地域産業の活性化、杉並木の生育環境改善を図るために整備し、開通により旧道区間の交通量は約6割削減した。
また下塩原バイパスは、トンネルを主体としたバイパスの開通により安全で円滑な通行を確保するとともに、観光産業活動の支援が図られた。佐川南地区は87.8haの区画整理を実施して、農地の大区画化による農作業の省力化、担い手への農地集積・集約化、高収益作物の導入、道水路の維持管理費の削減が図られている。
