溢水防止へ方針案示す 原谷地川樋門改修など(宮城県 多賀城市)

[2026/1/16 宮城版]
 多賀城市は15日、市議会全員協議会で、原谷地川の基礎調査を踏まえた浸水対策の整備方針案を示した。短期対策で樋門の改修やフラップゲートの設置、浚渫を実施し、効果を踏まえ拡幅などの河川改修を検討する。短期対策で最5億円を試算し、2026年度予算案に一部設計費を盛り込む方針を明らかにした。

 原谷地川は、二級河川砂押川の支流で、利府町内を流れる横枕川と合流し本流に流れている。砂押川水系の流域治水プロジェクトでは、砂押川遊水地(計画貯留量66万1000t)などを活用した治水対策として県による砂押川、勿来川の堤防整備などが検討されている。

 多賀城市が管理する原谷地川は延長が約1.4km、川幅は最大で約10m。コンクリートの樋門は手動型で本流に合流する箇所に3基設置されている。昭和30年代と50年代に整備され、1号樋門と2号樋門の扉は木製で3基とも作動操作のハンドルが破損して門が閉まらず、機能していない。

 19年に発生した東日本台風では溢水し、市西部地域の住宅浸水や道路の冠水が発生し、砂押川遊水地も満水になった。このため県や仙台市、利府町などで構成する仙台湾圏域流域治水協議会の部会で砂押川中流域の治水対策について協議が進められている。

 市は、原谷地川の樋門改修など対策の検討を進めるため、24年度に実施した基礎調査を踏まえた方針案をまとめた。短期ではバックウォーター対策として樋門3基の補修とフラップゲート設置のほか浚渫を検討。樋門はひび割れのある吞み口と木製や鋼製のゲートなどを補修する。

 概算事業費は2~4億円を試算した。堆積した土砂と土の上に繁茂する雑草の浚渫は、約1億円。長期対策は、短期対策の効果を見ながらポンプ場や調整池、堤防のかさ上げ、川幅の拡幅など流入量を減らす河川改修の検討を進める。長期対策の概算事業費は70~220億円を見込んでいる。

 特例措置として29年度が期限の緊急浚渫推進事業債などを活用し、短期対策の実施を検討する。26年度予算案では樋門改修、フラップゲート設置に向けた設計費を計上する方針。浚渫は、流域市町と協議完了後に着手する。

基礎調査はセンソクコンサルタント(宮城営業所、利府町)が業務を担当した。

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