多様な働き方を後押し 担い手確保対策の進化へ(国や6宮城県、東北建協連らが協議)
[2026/1/24 宮城版]
東北地方整備局や東北6県、仙台市、東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)は22日、地域の守り手である建設業の担い手確保対策を東北全体に広めるため、2026年度版の「東北未来働き方・人づくり改革プロジェクト」(案)について協議した。働き方改革の取り組みは「多様な働き方」への支援にシフトし、週休2日制という表現に固定化せず、従来の「4週8休」に戻すことにした。
当日は東北地方整備局で「東北地方の公共工事品質確保のための連絡会議」を開催。同局と東北6県、仙台市から10人、連合会から千葉会長ら6人が出席し、主に「東北未来働き方・人づくり改革プロジェクト2026」の案について非公開で話し合った。
あいさつで同局の安岡義敏副局長は「全国的に各現場の意見に耳を傾け、各地域特性などの現場実態に即した柔軟で多様な働き方を支援する方針への転換が行われている」と述べ、「こうした働き方の多様化を後押しする取り組み」などを同プロジェクトに盛り込む意向を伝えた。
千葉会長は「官民が共通の危機感を持って働き方・人づくり改革の施策を協議できることは大変心強い」と感謝し、「これまでの取り組みをさらにブラッシュアップし、実行性の高いものに進化させていきたい」と意気込んだ。
同プロジェクトは会合の参加メンバーが連携して取り組むもので、管内の全市町村に浸透させることで、「強い東北」の実現を目指す。26年度版は[1]働き方改革の推進[2]生産性の向上[3]担い手の育成・確保──の3つを柱に、計19の取り組みを盛り込んでいる。
働き方改革の推進では、猛暑日を回避もしくは休工可能とする工事発注や、1年単位の変形労働時間制など、受注者が施工の時期・時間や方法を柔軟に選択できるよう、多様な働き方を支援する。
新たに建設工事における「猛暑対策サポートパッケージ」の取り組みを国・県・仙台市で進めるほか、「通期の4週8休」を国・県・市町村で実施(出口調査)する。
統一土曜一斉現場閉所については、本年度と同様に国・県・市町村で実施する。これを実施することで、完全週休2日も選択肢の一つとして取り組むことができるようにし、実施者には完全週休2日の補正率を適用する。
働き方改革の推進ではこのほか、業務と工事におけるウィークリースタンスの実態把握と対応徹底を国・県に加え、仙台市でも行う。施工時期の平準化は全発注者による目標達成を目指す。新規では工事書類作成事例集を建設業団体・国・県・仙台市で共有する。
生産性向上の取り組みは、新規でAI活用による業務の効率化を進めるほか、国によるICT施工(ステージ2)の普及促進やプレキャスト製品活用の積極的な展開、3次元設計(BIM/CIM)の後工程への活用に向けた高度化推進を図る。
AIによる業務効率化は、活用事例集を作成し共有する。同局は工事公告資料のミスを防ぐためAIの活用を試行する。
ICT活用工事は、同局が25年度からICT土工とICT浚渫工を原則化しており、今後は工事全体で生産性を高めるステージ2に移行する。
担い手の育成・確保の取り組みは▽災害・除雪と維持工事体制の強化▽技能労働者の処遇改善(国)▽地元コンサルタントと連携した災害対応体制の強化(国)▽若手技術者のモチベーション向上──などを進める。
このうち、維持工事に関しては、災害対応や出水時の状況把握員の確保に苦慮している状況を踏まえ、新規で国が資格要件の緩和を試行する。
同局は本年度に各県の建設業協会と維持工事に関する意見交換を行っており、事業費の伸び悩み、発注方式と働き方改革、除雪オペレーターの育成、担い手不足、機械設備の更新といった課題が出されたことから、これらの改善を目指す。
若手技術者のモチベーション向上については、同局が次世代リーダーアワード(仮称)の創設を検討している。これは工事責任者になる前の若手のがんばりを評価するもので、26年度内に創設する意向だ。
会合では、施工時期の標準化について、連合会側から実現性のある数値目標を示してほしいという意見が出された。特に第1四半期の稼働が少ないため、雪解け後の3月にすぐ工事着手できるような早期発注を求める声が上がった。
今回協議した「東北未来働き方・人づくり改革プロジェクト2026」は、成案化して3月に公表する予定となっている。
