鹿島と木材利用で協定 建築物に宮城県産材を活用へ(宮城県)

[2026/2/3 宮城版]

協定書を手に記念撮影する横井支店長(右)と村井知事

協定書を手に記念撮影する横井支店長(右)と村井知事

 県は2日、鹿島建設東北支店(仙台市青葉区)と「建築物木材利用促進協定」を締結した。両者は連携して民間建築物への積極的な木材利用を進める。鹿島は自社で施工する東北支店ビルの建て替えなどに県産材等を活用する。県は同協定を今回初めて締結しており、今後も木材利用に前向きな事業者と同様の協定を結んでいきたい考え。

 同協定は、都市(まち)の木造化推進法の改正施行に伴い、民間建築物における木材利用を促進するために創設された制度。建築主である事業者が国や地方公共団体と協定を結び、協働・連携して自主的に木材利用に取り組む。

 県と鹿島は非住宅建築物や中高層建築物を含めた民間建築における木材利用を促進し、健全な森林の育成と脱炭素社会の実現を目指す。

 鹿島は社有施設や自社開発物件などで積極的に木材を利用し、県産材の利用を推進する。併せて、林業と建設業をつなぎ、持続可能なサプライチェーンの構築に努める。

 このほか、木造建築に関する技術や知見の蓄積に努め、中高層建築物などの木造化・木質化を積極的に進める。木材利用の意義やその取り組みについて、社外への情報発信にも取り組む。

 県は活用可能な補助事業の情報を提供するとともに、木材利用の専門家の紹介などを実施する。

 2日は県庁で協定締結式が開かれ、村井嘉浩知事と、鹿島の横井隆幸執行役員東北支店長が協定書を取り交わした。

 村井知事は、昨年10月に県内で第48回全国育樹祭を開催したことについて触れ、「木を使い、植え、育てるという森林のサイクルを守り、次の世代につないでいくことの大切さを発信した」と紹介。そのような中で「今回の協定締結により、県内の民間建築物での木材利用が促進されていくことは大変意義深い」と喜んだ。

 鹿島については「全国で多数の建築物を手掛け、木造建築の優れた技術と豊富な知識を持つ」と評し、同社との連携が「非常に心強い」と話した。

 今後に向けては「(同社と)連携を深めながら建築物に木材を使う機会を積極的に増やすことを通じ、宮城の豊かな森を育み、自然環境を守ることで、県民の皆さんの安全・安心な暮らしを実現する」と決意表明した。

 横井支店長は「県内に豊富な森林資源を有する宮城県で木を使って、植え、育てるという持続可能な森林循環を強化していくことは、環境負荷低減のみならず、地域産業の発展に直結する重要な取り組み」と述べた。

 その上で、古くなった森林はCO2の吸収力がかなり落ちることを紹介。木を使い、植え、育てることによる新陳代謝で若い木が多くのCO2を吸収するようになることに加え、製造過程で多くのCO2を発生させる他の建築資材から木材に置き換えることによるCO2削減効果と合わせ、「2重の効果を得ることができる」と力を込めた。

東北支店ビルを木造に建て替え

 鹿島は東北支店ビルを建て替えるに当たり、純木質耐火集成材を採用した本格的な木造建築とする。新支店ビルの構造材には一般的な木造住宅80棟超分に相当する約1810立方mの木材を使用する考え。現在は既存の社屋ビルを解体しており、今秋の新築着工、28年度内の竣工を目指す。

 新支店ビルは新築場所が仙台市青葉区二日町1-27で、敷地面積が1606平方m。建物は木造(制震構造)一部S造地下1階地上9階建て延べ8871平方mの規模。設計・施工は鹿島が担う。

 特徴は日本の伝統建築から着想を得た新開発の木造制震構造「欄間制震システム」(特許出願済み)を初採用し、超高層ビルと同等の耐震設計基準を満足させ、高い安全性を持つ木造フラッグシップビルとすること。

 構造用木材は鹿島グループの社有林(岩手県、福島県)から供出するほか、宮城県から木材生産者や森林関係者などを紹介してもらい、宮城県産材も活用する考え。

 鹿島は今後、100年以上にわたって社有林を維持してきた経験知をもとに、山林管理から建設、運用までの「みどりのバリューチェーン」を積極的に推進し、森林が抱える課題解決にも貢献する。

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