辺釣工区が来年度着工 9件再評価し継続「妥当」(県公共事業評価委)
[2026/2/20 栃木版]
県公共事業評価委員会(委員長・大澤和敏宇都宮大学農学部教授)は19日、県庁で2025年度第5回の委員会を開き、事業の再評価を行った。再評価は、県土整備部所管の道路事業が主要地方道宇都宮向田線の平出板戸II期など5件、街路事業が宇都宮都市計画道路3・3・901号おもちゃのまち下古山線のおもちゃのまち工区1件、砂防事業が木下沢など2件、急傾斜事業が佐野市鷺ノ宮A1件で、このうち7件を個別審議。それぞれ事業期間や全体事業費を見直したが、委員会は事業継続が「妥当」との意見を取りまとめた。
県は、事業採択後一定期間が経過して未着工の事業や、再評価実施後一定期間が経過している事業、または社会経済情勢などの急激な変化、技術革新、事業計画の大幅な変更などで再評価の必要が生じた事業などで再評価を行っている。その際に、事業計画に大幅な変更があるものや推定便益・推定事業費の変更がプラスマイナス10%を超える事業などについて重点的な審議(個別審議)を実施し、それ以外は一括審議を行っている。
今回審議した個別審議の7件は、いずれも前回評価時から推定事業費の変更が10%を越え、さらに国道400号三島・西赤田工区は推定便益も変更が10%を越えるため、個別に審議。なお、このうち砂防事業と急傾斜事業の3件は、事業費が10億円未満と再評価の対象外ではあるが、国交省から外部委員会での再評価を求められていることから再評価を行った。
主要地方道宇都宮向田線の平出板戸II期は、暫定2車線で供用している板戸大橋の4車線化事業を実施している。今回の再評価では事業期間を28年度まで1年間延伸し、全体事業費も89億円に23億円増額する。事業費増額は全て工事費の増額によるもので、内訳は建設資材や労務単価の高騰による工事費の増額が15億円、週休2日制工事やICT施工に伴う工事費の増が3億円のほか、鬼怒川の澪筋の変化に伴う低水護岸と根固めブロック工の追加工事が5億円となっている。
県道板荷玉田線の辺釣工区は、幅員が狭小で土砂災害警戒区域に指定されている区間を迂回するトンネルを整備しており、再評価では事業期間を当初の25年度から31年度まで6カ年延伸し、総事業費も工事費で15億円、用地補償費で1億円の計16億円増額する。工事費増の内訳は、建設資材や労務単価の高騰による工事費の増額が11億円、トンネル地質調査の結果を踏まえた工法変更による工事費の増額が2億円、週休2日制工事やICT施工に伴う工事費の増が2億円で、用地補償費は物件調査の結果で補償費が1億円増額となった。なお26年度から、まずは一般部の工事に着手すると報告した。
国道400号の三島・西赤田工区は、事業区間の前後が4車線で供用されているが、3120m区間が2車線に絞られてボトルネックとなっていることから、拡幅事業による4車線化を実施している。このうち、三島工区の620m区間は21年度に供用済みで、現在は残る西赤田工区の延長2500m区間を整備している。今回は、事業期間を当初の27年度から4年延伸して31年度までとするほか、全体事業費も35億円を追加し、総事業費を97億円とする。事業進捗率は、25年度末時点で用地が39%、工事が67%となっている。
都計道3・3・901号おもちゃのまち下古山線のおもちゃのまち工区は、延長1182m区間にわたり現道を拡幅して付加車線を設置するほか、歩道や自転車通行帯を整備し、あわせて電線類の地中化を実施している。今回の再評価では、事業期間を32年度まで4年間延伸し、事業費も15億7000万円増額する。事業費増の内訳は、工事費が8億7000万円と用地補償費が7億円。工事費は、建設資材や労務単価の高騰による増額が5億1000万円、週休2日制工事やICT施工に伴う増が1億円と、歩道橋の架け替えに伴う追加工事で2億6000万円となり、用地補償費は用地調査や物件調査の結果で補償費が7億円増額となった。
砂防事業の木下沢は、想定被害区域にある人家20戸や県道伊王野白河線、那須町消防詰所、簑沢生活改善センターを保全するため、砂防堰堤1基を整備している。今回は事業期間を28年度まで3カ年延伸し、事業費も工事費で1億3000万円、用地補償費で1000万円の計1億4000万円増額して3億4000万円とする。
同じく砂防事業の新屋敷三号沢は、想定被害区域にある人家7戸や県道牧野大沢線、大木須下集会所を保全するため、砂防堰堤2基を整備している。今回、事業期間を26年度まで1年間延伸し、事業費も工事費9000万円を増額して3億9000万円とする。
急傾斜事業の鷺ノ宮Aは、想定被害区域の人家11戸や県道仙波鍋山線、および要配慮者利用施設を保全するため、待受式擁壁と土砂防止柵、および法面工を実施する。事業期間を28年度まで3年間延伸し、事業費も工事費1億1000万円を増額して4億1000万円とする。
砂防事業と急傾斜地事業の工事費の増は、いずれも建設資材や労務単価の高騰によものや、週休2日制工事の実施に伴うものなどとなっている。
一括審議では、国道408号の宇都宮高根沢バイパスと、同じく真岡宇都宮バイパスの2件を審議した。宇都宮高根沢バイパスは、3期工区の高根沢高架橋で地質調査の結果下部工の変更が必要になったこと、およびJRの工事の進入路と県の施工区間が重複しているため、JRの工事完了まで県が施工できないことから、事業期間を2カ年延伸する。
真岡宇都宮バイパスは、事業費を労務費の高騰で2億円、資材価格の高騰で5億円の計7億円増額する。事業期間も、工区北側の清原工業団地入口交差点の改良で交差する市道を一部拡幅する必要が生じ、これに伴い2年間延伸する。
