労務費の基準で意見交換 「払うためにもらう」へ(東北建専連と東北整備局)
[2026/2/25 宮城版]
意見交換会には、東北建専連から岑会長をはじめ加盟団体の幹部17人、整備局から沖川弘毅建政部長ら9人が出席した。岑会長は、労務費の基準を軸にした改正建設業法の施行に期待感を示し、「建設業界が持続可能な産業となるための幕開けになる。今が担い手確保の最も重要な節目だ」とあいさつした。
会合では整備局が法改正の背景や労務費の標準に関する情報提供を行ったのち、「労務費の基準と内訳を明示した見積書の義務化の運用」などについて意見を交わした。「労務費の基準」は、公共・民間工事を問わず、契約当事者間での価格交渉時に参照できる「適正な労務費」の相場観として作成されたもの。元請と下請はこの基準に沿って、見積もり・価格交渉を行う。
東北建専連の全国建設室内工事業協会東北支部は、「見積書の作成には検討項目が多く時間を要する」とし、労務費の基準に沿った交渉の具体的な実施時期や猶予期間について質問した。またゼネコン側の対応には温度差があり、地場企業では対応が遅れているとの指摘もあった。
整備局は、昨年12月の全面施行時点から、すでに労務費の基準に沿った交渉が可能であると説明。「必要な労務費は現場ごとに異なるため、あとは個々で進めていくことになる。法で定められた以上、堂々と交渉してほしい」と述べた。ゼネコンに対しては「粘り強く制度趣旨を説明していく」と応じた。
労務費の基準の実効性確保に向けては、東北建専連が「民間工事では、いまだに『これしか出せない』という元請が多く、公共工事が少ない時期は受けざるを得ない」と厳しい状況を訴え、民間工事への建設Gメンの積極的な展開などを求めた。
Gメンの関連では、東北建専連の東北マスチック事業協同組合も「マンションの大規模改修工事現場では、キャリアアップシステム(CCUS)を導入している現場がほとんどない」と指導を求めた。
整備局側はGメン調査において「発注者側の問題が多い」との認識を示しつつ「少しずつ取り組みを進めている。今後は件数を増やしていく」と説明。民間発注工事については「広くPRできていない面がある。労働局などと協調して進める。ぜひ通報・相談を寄せてほしい」と呼び掛けた。
このほか、東北建専連の日本左官業組合連合会東北ブロック会は「床コンクリート金鏝仕上げ作業におけるセルフレベリング工法の積極採用」について意見を求めた。左官職人の減少が進む中、工期短縮のほか、床下地の品質向上といったメリットがあることから標準化を要望した。これ以外では、17日に公表された最新の設計労務単価、職人の多能工化とその評価、外国人技能実習生などにも話題が及んだ。
総括で沖川部長は「労務費の標準については、期待も悩みもあるだろう。法改正のこの機をとらえて必要なものは必要と声を上げてほしい。建設Gメンなどでかかわる機会が増えたので、われわれも粘り強く伝えていく。個々の取引の改善が、業界全体の繁栄につながる。官民一体で新しい商習慣に取り組むよう努力する」と締めくくった。

